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なぜ新宿駅の「箱根そば」では1日2000杯も売れるのか? 人気の秘密を直撃してみた

2019/06/25
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新宿店で1日2000杯が売れる理由は?

 ところで、2018年10月には新宿駅の基幹店「箱根そば本陣」をリニューアルオープンした。

――新宿の「箱根そば本陣」は、他店と何が違いますか?

清水さん「新宿店は1日2000杯を超える杯数が出る基幹店です。そこで、新宿店を最重要基幹店と位置付け、味も(値段も)格上げして、一つ上の味を提供するようにしたわけです。例えば『肉そば』は本陣では牛肉、他店では『豚肉』を使用しています。かき揚げも他店と違います」

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 早速、取材後に食べに行ってみた。午後3時半過ぎというのに多くのお客さんが入店中であった。「小海老入りかき揚げ天そば」(520円)を注文すると、流れるような作業であっという間に完成した。かき揚げには他店にない小エビが3~4尾入っている。麺はのどごしや香り等のバランスを考え、外皮の入った粗挽きのそば粉をつかった配合だという。量も十分あり、つゆもしっかりと出汁が香る。

2018年10月にリニューアルオープンした新宿の「箱根そば本陣」
「箱根そば本陣」のメニュー
「箱根そば本陣」の「小海老入りかき揚げ天そば」(520円)
「箱根そば本陣」のつゆ・そば・種物はこだわりの味である

 さて再びインタビューに戻ろう。

――箱根そば全体での人気メニューは?

清水さん「かき揚げ天そば、天玉そばがダントツです。きつねそばやたぬきそばなどが続きます」

――売り上げベスト3店は?

高橋さん「1位は新宿本陣店、2位は小田原店、そして3位は海老名店、藤沢店、登戸店がほぼ並んでいます」

 海老名店や登戸店は改札内にある。鉄道を利用しない場合でも、入場券を買って入場し、お店で実食のスタンプを押してもらえば、入場券代は返金されるそうだ。ありがたいサービスである。

――他の富士そばや小諸そば、ゆで太郎はマスコミによく登場していますが、箱根そばはあまり露出していません。理由はありますか?

清水さん「『箱根そば』は、他のチェーン店と比べ店舗数も少なく、東京と神奈川県を中心に展開している店舗です。まだまだ、修行中勉強中の身です」

 とにかく謙虚なのである。地域に寄りそっていこうという姿勢には共感できるものがある。次に「コロッケそば」と「豆腐一丁そば」のこと、最後に今後の展開などを質問してみた。