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なぜ新宿駅の「箱根そば」では1日2000杯も売れるのか? 人気の秘密を直撃してみた

2019/06/25
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昭和40年代から出していた「コロッケそば」

――「箱根そば」はポテトを使った「コロッケそば」の発祥の店といううわさがあります。しかもコロッケはカレーコロッケです。新松田店では、1985年位にはすでにカレーコロッケだったという話があります。このあたりの真相はありますか? 

清水さん「コロッケそばの発祥は『箱根そば』だという話は数年前にもマスコミに登場しました。自分も小学校の頃、昭和50年代ですが、生田駅でカレー味のコロッケそばを食べていました。正確な記録が残っていませんが、昭和40年代、箱根そば下北沢店のオープン時にコロッケそばを初めて導入したようです。当時は約30gのカレーコロッケ(ひき肉・春雨入り)が2個入っていました」

 清水さんは小学生の頃から「箱根そば」を食べていたという事実が判明した。すごい「激レアさん」であることは間違いない。これからは「箱そば先生」と勝手にお呼びすることにしようと思う。

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四谷店の「冷しコロッケそば」(450円)もカレー味のコロッケである
清水部長は「箱そば先生」として「激レアさんを連れてきた。」に出演してもらいたいほどだ

――「豆腐一丁そば」の発案は?

高橋さん「豆腐一丁そばは文字通り、豆腐が一丁、そしておかか、しょうが、たぬきが冷たいそばにのって、冷たいつゆをかけて登場します」

清水さん「約30年前、当時の担当者がインパクトのあるそばとして、弊社が運営するそば処『つづらお』で販売していたものをアレンジしたようです」

――箱根そばのキャラクターでアイコンになっているイラストがありますが、なんという名前でしょうか?

清水さん「Twitterのアイコンにもなっていますが、『やっこさん』といいます。8月5日生まれです」

箱根そばのキャラクターでアイコンになっている「やっこさん」

――今年はこれからイベントなどがありますか?

清水さん「『豆腐一丁そば』は8月に多くの店舗で1ヵ月程度の限定発売を毎年しております。今年も実施します。また、『やっこさん』の誕生日、8月5日は『箱そばの日』です。今年も面白い企画を考えています。近々アナウンスします。どうぞご期待ください」

――最後に個人的希望ですが、「小田急線」を「小田急箱根そば線」に改名することはありますか?

清水さん、長谷川さん、高橋さん一同全員「もちろんありません(笑)」

 70分以上にわたるインタビューであったが、3人から「箱根そば」についての沢山の貴重な情報を聞き知ることができた。

「箱根そば」はその命名の由来もわからない。しかし、「コロッケそば」発祥の店であったり、「豆腐一丁そば」を考案したりと、なんだか面白いそば店なのだ。創業から54年が経った今、小田急線沿線中心に地域に寄りそった人気店になっていることがよくわかった。また、清水さんだけでなく、長谷川さん、高橋さんも「箱そばの達人」であることがよくわかった。これからもおいしい「箱根そば」を食べさせてください。

写真=坂崎仁紀

INFORMATION

箱根そば本陣
住所 東京都新宿区西新宿1-1-3 小田急新宿駅地下コンコース
営業時間 平日6:30~23:00(ラストオーダー 22:45)
     日祝6:30~22:00(ラストオーダー 21:45)
定休日 なし

https://www.odakyu-restaurant.jp/shop/hakonesoba/hakonesoba/

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