昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

東京でとびきり安い「天ぷらそば」 店主に聞く「消費税10%で値上げする?」

2019/06/11

「安い・うまい・はやい」は昭和の立ち食いそば屋の代名詞だ。

 しかし、最近では三田の「à la 麓屋 (あら ふもとや)」のように、高級なそばを出す店も増えている。生麺を使用するところも増え、天ぷらも注文毎の揚げという店も多くなっている。「安くない・うまい・はやくない」に変わりつつあるのだろうか。

 そんな中、昭和の「安い・うまい・はやい」を今も守り続けている店が幾つかある。茅場町の「そば処 亀島」、日暮里の「一由そば」、一之江の「今井橋そば店」など。そして、蒲田の「みよし庵」はその代表格といってよい。今回のキーワードは、「安い」、「290円」、「昭和の味」、「下町人情」といったところ。

「みよし庵」はJR蒲田駅西口を出て、すぐ北側のドン・キホーテの前にある。パチンコ屋などが立ち並ぶ路地の入口近く。

「みよし庵」はJR蒲田駅西口出てすぐ北のドン・キホーテの前にある

ダントツ一番人気の「天ぷらそば」は290円

 6月の第2週の水曜日の午前中に訪ねてみると、女将さんがいつものようににこやかに歓迎してくれた。「みよし庵」は昭和51年創業というから古参店といってよい。先代が始めて、今は女将さんとお兄さんで切り盛りしているそうだ。朝や昼間は日本工学院の学生さんや近隣の商店主などで賑わう。

 店内は白を基調にした内装で、縦長で左右に長いカウンターがある。外の喧騒が不思議なくらい、静かで緩やかな時間が流れている。

店内は縦長で、2列のカウンター

 そして、注文するのは、もちろんダントツの一番人気の「天ぷらそば」(290円)である。通常の立ち食いそば屋なら、野菜などのかき揚げの天ぷらを載せた「天ぷらそば」は370円~470円位が相場だと思う。

シンプルなメニュー、「天ぷらそば」は290円と安い

 消費税が8%になる前は「天ぷらそば」は270円だった。ちなみに創業した昭和51年頃、「天ぷらそば」は220円、「かけそば」は140円(現在は210円)だったそうだ。43年をかけて牛歩並みの価格上昇というわけである。というより全然上がってないという印象に近い。

昭和の時代から変わらない味の「天ぷらそば」290円