8つの体質別でみる「合う・合わない」食材
女性の場合は、閉経が体質の違いをハッキリさせる。陽虚の女性はそれまで冷え性や生理不順に悩み、血虚の女性も生理不順のほか、動悸、立ちくらみになりがちだった。だが、閉経で血が出なくなり、貧血が解消されて元気になる。
「陽虚や血虚の女性は更年期で元気になります。陽虚なので50代から元気になる女性は、ぽっちゃり型の体型が多い。
逆に、痩せて元気だった陰虚の女性が、更年期で女性ホルモンが急に落ちて、汗っかきになったり、イライラする。また、水が不足して潤いがないから、陰虚の人は性交痛をともなうことがある。陰虚の女性に潤滑ゼリーを渡すより、陽虚に変えてあげる治療の方が大事なのです」
レンコンやトマト、梨、豚肉、豆乳、ゴマなどが、体を潤すものとして知られている。次の表に、各体質の症状と避けた方がいい食材を記したので、参考にしてほしい。
秘伝!中国で10年修業した漢方医が最もすすめるのは……
山岡氏が言う。
「日本食が弱精食といわれるのは、生ものが多いからです。内臓を冷やすと、脾を温めようと血液が集まるため、陰茎に血が集まらなくなる。
また、ご飯を食べる時に汁物以外に水を飲まないほうがいい。最近、水を飲みながらご飯を食べる人が増えましたが、洗濯機に通常の3倍の水を入れて洗濯するようなもので、消化にエネルギーがかかるだけです」
脂っこいものを食べた時に、冷たい烏龍茶を飲むことも逆効果だという。
「中国では必ず温かい烏龍茶を飲む。冷たいものを胃に流し込んだら、脂分が固まってしまうからです」
山岡氏が勧めるのは、温野菜だが、糖尿病学会でも食事は最初に野菜から口にすることを提唱している。温野菜でも生野菜でも、最初に食べることで、胃腸に膜ができて、余分な脂肪を吸収しなくなるからだ。
実はここに挙げた話は、日本にも昔からあった食事の知恵や食養生だ。それがすっかり忘れ去られて「秘伝」になってしまったのは、企業によって提供される食品が、食事の中心になったからだろう。