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「現4年生から青田買いをしても大丈夫だ」

Q. 「就活ルール廃止」は、現大学4年生と大学3年生、どちらから適用されている?

A. 形式的には現3年生から適用されるはずだったが、実質的には現4年生から適用され、一部で大幅な早期化、つまり青田買いが行われた。

 なぜこのような現象が起きたのだろうか? 知人のA社の人事はこう言う。

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「もちろん現3年生から適用ということは知っていました。でも経団連の廃止宣言を聞いた時に、『もうこれで何でもアリだな。現4年生から青田買いをしても大丈夫だ』と感じたのも事実です。他の企業の人事の方も、そう思ったのではないでしょうか」

 以前から、外資系やメガベンチャーは早期から堂々と(あるいは多くの日本企業は水面下で遠慮しながら)、インターン学生と接触していた(もちろん厳密にルールを守り一切学生と接触しない企業もある)。

 そこにルール廃止が伝わり、日本企業の人事も現4年生から自由にやらせてもらう、という判断をしたのだ。現に私の元に次のような相談が現4年生(理系男子)から寄せられた。

日系大手メーカーも「大学3年の10月」に内定出し

「外資系でもないのに、こんなに早く内定が出るものなんですか? まだ大学3年の10月なんですが、内定をもらってもいいのでしょうか?」

 やはりこちらも以前から外資系やメガベンチャーは大学3年の秋、冬から内定を出し始めていた。しかしこの学生が得たのは、有名な日本企業(製造業)の内定だ。

就活ルール廃止に対するアンケート。 企業の約65%が人材確保を懸念し、学生も70%超が「ルールが必要」と応えている ©共同通信社

 こんな早期に日本企業が内定を出した話を今まで聞いたことがなかった。また先ほどの人事は私にこんな話をしてくれた。

「例年、3月1日から本選考を始めていましたが、今年、現4年生向けに1カ月前倒しました(2月1日)。就職ナビはグランドオープンしておらず利用できませんが、インターンに来てくれた学生さんが母集団となっているので問題ありませんでした」

 これらの事例から就活ルール廃止は、実質的に現4年生から適用されてしまったと言えるだろう。つまり政府のスケジュール遵守要請は、すでにほぼ形骸化している。