勤め人なら毎月受け取る給与明細。その各項目を、きちんと理解できているだろうか。社会保険、所得税、住民税……支給額から控除される、決して安くない額がどう算出され、何に使われるのか。そんな意外と知らない「お金」の基礎知識を、根本的な視点から満遍なく解説した、「お金」の入門書が売れている。
「結婚した際、共働き家庭での扶養のことなど基本的なことすらよくわかっていない自分に気付かされて、愕然としたんです。本書を編集するにあたっては、そうした日常的にぶつかるお金の疑問を、ひとつずつ丁寧に解消したいと考えました。類書の多いジャンルということもあり、特に工夫したのが本の構成です。監修や著者の先生、編プロさんと相談して、『確定申告をどうするか』のような目的別ではなく、『稼ぐ』『備える』といったお金の「機能別」にトピックを立て、お金を多角的に見つめられる構成を考えました。図による解説も、ありきたりなものではなく、イチから表やグラフ、チャートを作成し、具体的で、わかりやすく、とっつきやすい本にすることを意識しました」(担当編集者の上原千穂さん)
年金以外に老後の資金が2000万円必要――そんな金融庁の報告書が世間を騒がせたのも、記憶に新しい。本書を手引きに、お金についての考えを見直してみてはいかがだろうか。
2018年8月発売。初版1万部。現在15刷14万部