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実は日本ではスペインよりも多くの人が臓器移植に前向き

 そして日本で臓器提供をしたいと思っている人は41.9%います(平成29年、内閣府「移植医療に関する世論調査」)。日本では世界一のスペインよりも多くの人が臓器移植に前向きに考えているのです。これは驚異的な数字です。

 しかし日本では臓器提供の何らかの意思表示をしている人はたったの12.7%しかいません。ここに日本の移植医療の最大の問題があります。日本が意思表示をしている人からのみ移植を行う「オプトイン」方式を採用している以上、意思表示が絶対的に必要なのです。

提供意思の推移(厚生労働省より)

 スペインなどで導入されている、移植を拒否していない人は移植に同意しているとみなす考えを「オプトアウト」方式といいます。海外では「オプトアウト」方式の国が移植数を伸ばしています。

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 もし日本の社会が「オプトアウト」方式を受け入れるのなら、劇的に移植数は増えると思います。しかし、日本では従来のやり方から大きく転換する「オプトアウト」方式はすぐには導入できないと思います。日本が「オプトイン」方式のままでいくのなら、移植意思の表示をする絶対数が必要なのです。

臓器提供の意思表示は「あげたくない」でもいい

 ブログに対する反応で私が一番驚かされたのが、「ドナーカードを書かせるなんて人権侵害だ」という意見でした。「意思表示をしてください」「ドナーカードを書こう」と書くと、びっくりするほど反対意見が出ました。多くの方は「臓器提供意思表示カード」、通称ドナーカードの存在は知っているようでしたが、臓器提供を強要していると思われている方が多くいたのです。

「臓器提供意思表示カード」、通称ドナーカードの裏と表。運転免許証、保険証などでも臓器提供に関する意思を表示することができる

 移植に関しては4つの権利があります。死後に臓器を「あげたい」「あげたくない」、あるいは移植が必要なときに臓器を「もらいたい」「もらいたくない」という権利です。この中で、臓器を「あげたい」という方から「もらいたい」という方につなげることが臓器移植という「いのちの贈りもの」なのです。

 まずは、臓器提供に対する意思を表示してもらうことが大事です。「あげたい」でもいいですし、もちろん「あげたくない」と回答しても構いません。とにかく1割の人しかしていない意思表示を、もっと多くの人がするべきだと思います。