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2019/07/15

genre : ニュース, 社会,

世界遺産・白神山地へもアクセスできる

 そこから先の車窓風景も、ずっと日本海である。深浦から先に乗る人はほとんどいなくて、車内には筆者とほかに地元のおばあちゃんが1人だけ。そのおばあちゃんも早々に降りていったから、事実上貸切である。何時間も海沿いの風景ばかりを見続けていると、さすがに眠くなる。深浦で昼食を食べたばかりの昼下がりだからなおさらである。クルマだったら眠くなっている場合ではないが、鉄道ならば眠気と戦う必要はない。せっかくここまで来たのにと思いながら貸切の車内で眠ってしまうのも、至極の贅沢である。

深浦の港町を背景に走る(深浦~広戸間)

 車窓をもっと楽しみたいならば、このあたりで海ではなくて山側をみると、ブナの原生林で知られる世界遺産・白神山地。白神岳登山口駅はきっとその名の通り登山道がある駅なのだろう。大間越駅は津軽藩と秋田藩の藩境の関所があった街で、この駅を出ると五能線も青森県から秋田県に入る。

能代駅にはバスケのゴールがある

 うとうとしている間に、そうした県境はあっという間にとおりすぎて、気がつけば車窓は海と山から変わって少し開けた田園地帯。もうここまでくると、終点の東能代も間も無くである。いつのまにか少しずつ乗客も増えて、地元のお年寄りから学生さんまでいくらか賑やかになっていた。米代川を渡れば、能代の市街地の駅・能代駅。乗っていたお客がほとんど降りたかと思ったら、またずいぶんと沢山の客が乗ってきた。ローカル線の旅も終わり間近であることがなんとなく告げられている気分になる。

 能代といえば、田臥勇太しか思い浮かばない……というとさすがに言い過ぎだが、まあ能代=バスケットボールの町の認識は間違いではないだろう。実際、能代駅のホームにはバスケのゴールがあるくらいだ。そして、「リゾートしらかみ」に乗るとここでフリースローチャレンジができて、見事ゴールを決めると記念品がもらえるとか。腕に覚えのあるスラムダンク世代の皆さま、ぜひチャレンジしてみてはどうだろうか。