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見栄を張らない“等身大”の生き方

(4)生活の水準をかえない

 少しお金が手に入ると人間、気が大きくなる。江戸っ子は「宵越しの銭は持たない」などといばったそうだが、サラリーマン大家さんはその多くがきわめて質素な生活をしている。

 Nさんはまず、服装には全く気を遣わない。会社で気を張る必要はないので、スーツはロードサイド店の「2着で19,800円」といった品物ですませる。目立たない普通のおじさんであればよいのだ。

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 外食は極力しない。家で食べるのが一番安いからだ。自給自足の家庭菜園はかえってお金がかかる。それよりも会社を早めに出て、閉店間際のスーパーで安売りの魚や野菜を買うほうが賢明だ。Nさんは食べ物にもこだわりが一切ない。

 旅行もよくない。仕事はヒマなので、有給休暇は存分に使えるが、旅行はお金をたっぷり使ってしまう危険がある。

 どうしてもどこかに行きたいなら近隣を散策する。歩くのは走るのと同様にタダだ。健康にもよい。渋滞の高速道路で排気ガスを撒き散らしたり、無駄な時間をすごしながら金をばらまくよりも有意義で、夫婦の会話もはずむはずだ。

©iStock.com

 子供の教育も見栄を張る必要はない。公立の学校を十分に活用しよう。幸い今は少子化で大学は全入の時代。子供に投資するお金は効果が明らかに見込める場合は別として、本当に必要な範囲にとどめればよい――。

あなたはNさんのように生きられるか?

 このようにして、まずはサラリーマン大家さんになるための心の準備をしよう。なりたいものになるためには、やっている人のマネをすることだ。野球でもサッカーでもうまくなる人はみんな憧れの人のマネをして成功する。

 サラリーマンはどうしても1日のうち一定の時間、たとえば9時から5時までの間は、会社に身柄を拘束される。サラリーマン大家になろうというのに、この時間を無為に過ごすことはもったいないと思うかもしれない。

 しかし、この時間はちっとももったいなくない。なぜなら、毎月確実に給料が口座に入ってくるからだ。

 自営業や会社経営者なら痛感するところだが、毎月定額のお金が黙っていても入ってくるという商売は世の中なかなかないものだ。

 毎月確実に入ってくる給料を軍資金に不動産投資を続ければ「サラリーマン大家さん」は結構うまくいく。Nさんはそれを地で行った人だ。一方で、不動産投資で大儲けした人が数年後に自己破産……というのもよく聞く話だ。その違いは、Nさんのように生きられるかどうかにある。サラリーマン大家さんを夢見る方は、その点をよーく考えてほしい。