例えば、先日問題になったNGT48においても、筋の悪いファン層が芸能人の女の子たち本人に食い込んでしまえば、そこから横展開でよろしくないスキャンダルはたくさん出てきます。吉本興業だって中堅以上の芸人さんたち全員に生活監視するぐらいマネージャーさんを張り付けるわけにもいきませんから、そこは会社とマネージャーさん、さらに芸人さんとの間の信頼関係が成立していない限り、何か悪いことやいけないことがあったときに誰も何も守ってやれないことになります。
NGT48の件もしかり、およそ芸能スキャンダルとされるものは、ヤバイことを会社が芸能人本人からきちんと聞かされなかったり、会社が本人の言うことを聴かずに放置したり、逆にお前我慢しろと封じ込めようとして、揉み消し損ねて大火災になるということの繰り返しです。だから初動が肝心と言いつつ、一番大事なのは問題が起きたり巻き込まれたりしたときに芸能人本人がきちんと信頼関係のあるマネージャーさんと意思疎通し、会社全体の問題として幹部や弁護士が対処するという仕組みを用意することに他なりません。
しかしながら、今回は「反社会的勢力」という話が大きく出てきました。
反社会的勢力の見分け方
正直ややこしいわけです。昔ながらの暴力団組織であれば、それこそ「私たちは皆さまの山口組です」とか言いながら堂々と組事務所を構え、名刺まで刷って「組の者です」と言ってくれていました。場合によっては、暴力団が正々堂々と名乗って大手全国紙を配ったり売ったりしていたんですよ。
ただ、今回のカラテカ入江愼也さんの件は、まあ確かに本人も不思議な古着屋をやったり、変な人脈がたくさんあったりしていたようですが、今回は特殊詐欺(オレオレ詐欺)の皆さんの宴会に芸人さん仲間を紹介したことが嫌疑のど真ん中にあるにせよ、これ、反社会的勢力だって事前に察知するのはむつかしいんですよ。
宮迫さんの会見でもある通り、福岡金塊強奪事件で逮捕されたグループと、いわゆる「ギャラ飲み」をしたのは2016年7月ごろで、金銭の授受があったようであることは明らかになりました。ところが、その金塊強奪事件のグループが摘発され逮捕されたのは翌17年5月のことで、その後有罪判決になり実名報道されて初めて「あっ、あいつは反社会的勢力なんだな」と分かるわけです。
そして、彼ら自身はエステサロンのチェーン店や、飲食店などでの宅配ビジネスなどをやり、ちょっとした起業家として東京や福岡でのベンチャーイベントに参加をしていました。周辺をちょっと掘れば、ヤバそうな交遊関係だけでなく、カネに釣られて宴会にやってきて写真を撮られた俳優さんや芸人、女性モデルなどが出てきますし、そればかりか、上場企業役員や自治体で枢要な地位にある人(現任)すらも出てきます。そういう人も出入りしていればなかなか相手を見抜けないし、まさか後日逮捕されるなんて知りようもないと思うんですよね。
宮迫さんがギャラ飲みをしたときにその相手が反社会的勢力なのかということはハッキリせず、まだよく分からないはずなんです。宮迫さんが本当のことを言っているのなら、ですが。