今後の集金システム化、組織化、議員の選抜・育成が肝に
ここから先は、「泡沫政党として議席確保しました!」というハードルから、一歩進んで政党全体として全得票数の10%を狙うにはどうするか、という戦術の問題になってくるので、俄然ゲームのルールが変わってきます。
なぜかれいわ新選組は共産党と組んで消費税反対で共闘するようですが、爺さんしか投票しなくなった共産党と、若い人も左派ポピュリズムで集まってくるれいわ新選組とが並び立つと、共産党が勝手に滅んで集金装置が死んでしまうことになります。っていうか、共産党もいったい何年志位和夫さんを書記長にしたまま引っ張るんだよ。山本太郎責任編集で赤旗が配られたりする日が来るんじゃないかと思うとワクワク感が止まりません。どんな先鋭的な主張をして支持者を熱狂させ、またどうでもいい層をドン引きさせてくれるのでしょうか。
いずれにせよ、れいわ新選組もN国党と同様に泡沫以上の何かを目指して頑張るのは良いとして、どこかで集金のシステム化と、多くの候補者を立てて党運営ができる組織化、そして有力な議員を選抜・育成する仕組みを用意しなければならなくなります。政治がつまらなくなる瞬間ですよね。まさに橋下徹さんが大阪維新を国政政党にしようとして石原慎太郎さんと野合した結果、たいして面白くもない政党になってピークを打ってしまったのと同様、山本太郎はいつまでも山本太郎のままで、立花孝志や森山穂高はすべすべのお肌であり続けて欲しい。インディーだから喜んで支持していたのに、メジャーになってから醒めるファン心理をうまく使っていただけるよう願うのみです。
世の中いろいろと末期的だなと思うわけなんですが
48%台の低投票率に終わった今回の選挙ですが、政党ごとの得票%で言うならば、結局は安倍晋三総理率いる安倍政権の支持率通りにほぼ与党は得票し、野党は残りの票の中でコップの中の嵐をしていることになります。れいわ新選組が躍進すれば、ほぼ同様に旧民進党や共産党の確保していた浮動票が減っているというだけのゼロサムゲームである以上、やはり野党は一致して「アベ政治を許さない」と言いながら政権支持率を削るしか方法がないんですよね。
社民党もなんだかんだ2%の得票ラインを維持して政党としてはギリギリ死なず、国民民主党も玉木雄一郎さんが「生まれ変わりました」とかいって憲法改正論議に名乗りを上げたり、まあ世の中いろいろと末期的だなと思うわけなんですが、野党を野党たらしめてきたイデオロギーが死滅しつつあるいま、こういう泡沫政党の奮闘の中から新たな歌声が生まれることを期待してやみません。
たとえそれが、ハーメルンの笛の音色みたいなものだったとしても。
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ついにこの日が来てしまった……。文春オンラインの謎連載、
その名も『ズレずに生き抜く 仕事も結婚も人生も、パフォーマンスを上げる自己改革』。