アル・ゴア元米副大統領など多くの著名人が大絶賛した世界的ベストセラー「風をつかまえた少年」(小社刊)がついに映画化。アンジェリーナ・ジョリーにもNYプレミアで「とても重いテーマにもかかわらず非の打ち所のない作品」と言わしめた。公開を記念して、原作者のウィリアム・カムクワンバさんが来日した。
「この映画を観て、自分の人生をもう一度生き直しました。風車を作っている時の楽しかったことや、1日1食しか食べられなかったこと、学校を辞めなければならなかったことを思い出して辛かった」
アフリカの最貧国のひとつ、マラウイ共和国の出身。飢饉による貧困で年間80ドルの学費が払えず、14歳で学校を中退。図書館で1冊の本と出会い、独学で風力発電の風車を作り、枯れ果てた畑に水を引くことに成功した。
「苦労して作った風車が完成したときは最も幸せな瞬間でした。完成するまでは『何をやっているんだ』とみんなに笑われていましたから。これで私のやっていることが無駄ではないと理解してもらえるとホッとしました」
自家製の風力発電によって家族と村の人々を救ったウィリアムさんは、奨学金でアフリカン・リーダーシップ・アカデミー、米ダートマス大学へ進学。タイム誌の「世界を変える30人」にも選ばれた。
「自ら考えて行動することが大事。親は自分の価値観を押し付けないで、子供が好きなこと、やりたいことを知って背中を押してあげてください」
INFORMATION
『風をつかまえた少年』
8月2日、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
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