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登山中、手を合わせ祈るようなしぐさを見せた雅子さま
上皇ご夫妻には、一緒にテニスを楽しまれている写真をたくさん撮らせていただきました。両陛下の場合は、天皇陛下が一番の趣味と話されていた登山です。
実は私が皇室担当になったのも登山がきっかけでした。天皇陛下がお若い頃に登山の取材があると、山歩きが得意な私がよく雑誌の代表カメラマンを任されました。式典などの取材と違って、山では皇室の方々も自然と言葉をかけてくださいますし、山頂に着くと陛下を取材陣が囲んで記念写真を撮りました。
両陛下の新婚時代にも、たびたび山登りに同行しました。夏に那須の御用邸へ行かれると、周囲の山をよく歩かれました。
ただ、健脚の天皇陛下と一緒に歩かれる雅子さまは大変だったでしょう。山頂まであと数十メートルという場所に着くと10分間ほど休憩され、呼吸を整えてから私たちの前に歩いてこられました。そのまま山頂に着いて取材陣に囲まれたら、呼吸がゼイゼイしている姿が写真や動画で撮影されてしまうからでしょう。そういうお気づかいも含めて大変だったろうと思います。
雅子さまが手を合わせている一枚は、94年8 月31日に栃木県の茶臼岳を登られたときのものです。山頂へむかう途中で急に視界がひらける場所に出て、その景色の美しさに思わず手を合わせたところだと思います。まだ愛子さまがお生まれになる前の新婚時代ですから、おふたりの幸福な結婚生活を祈っていたのかもしれません。