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「人前で手をつながない」天皇と雅子さまが“初めて”カメラの前で手を触れ合わせた日――2019上半期BEST5

ベテラン皇室カメラマン・河崎文雄さんの秘蔵写真で振り返るおふたりの26年

2019/08/22

source : 文藝春秋

genre : ニュース, 社会

運転をしていたのは雅子さまだった!

雅子さまが嫁入り道具として持ってきた「カローラ II​」でドライブ。河崎さんのスクープだった ©河崎文雄

 近くの牧場へ出かけられると聞いて、御用邸の入り口付近で待機していたのですが、宮内庁の方から邪魔だから立ち退くように言われ、同行していた記者も「もう帰りましょう」と諦めかけていました。しかしカメラマンの勘というのでしょうか、私はどうしても立ち去りがたい気持ちでいると、1台のカローラが牧場から出てきました。見ると、ハンドルを握っているのは雅子さま、助手席には陛下が乗っておられます。予想外の光景にシャッターを切りました。このカローラは、ご結婚前に雅子さまが乗っていたもので、いわば「嫁入り道具」。ご静養のため、御所から那須までトラックで運んできたらしいと、あとで聞きました。

 これは私のスクープ写真となりましたが、いったん報じられてからは両陛下も宮内庁もオープンになり、それからは何度かそのお姿をお見かけしました。何ごともオープンにしたほうが、皇室の方々はもっと自由になれるのではないでしょうか。

写真に映える目にも鮮やかな雅子さまのファッション

 5月4日の御即位一般参賀で、雅子さまは鮮やかな黄色いドレスをお召しになっていました。私がこれまで撮影してきた写真でも、雅子さまは目に鮮やかな極彩色の服を着ておられることが多かったように思います。

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©河崎文雄

 99年のベルギー皇太子の結婚式では、雅子さまが着ていたロイヤルブルーのスーツが、「ショッキングブルー」と海外で報じられて話題になりました。私は教会の外で待っていて、出てこられたところへ「妃殿下!」と声をかけて撮影しました。

ショッキングブルーと話題になった ©河崎文雄

 令和の両陛下に期待されることの1つは海外でのご活躍でしょう。私が撮影してきたなかでも、外国を訪問されているときのおふたりは実に生き生きとされていた印象があります。