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 メッセージでは「加害者の日本が開き直ってむしろ大きく出る状況を決して座視しない」、「わたしたちは二度と日本に負けない」「日本政府の措置状況に従い、わたしたちも段階的に措置を強めていく」とかつてないほどの強い口調で断じ、時計の針がぐるぐると過去の日韓に遡っていくような錯覚を覚えた。与党からは今の状態を「第2の独立運動」とする声が上がっている。

青瓦台から生中継をした文在寅・韓国大統領 ©時事通信社

日本に比べ、韓国が打てるカードは少ない

 中道系韓国紙の記者は言う。

「韓国も日本に対抗措置をとっていく、そうは言っても打てるカードが少ないのが現状です。韓国も日本をホワイト国から外すと言っていますが、それほど有効なカードではない。また、8月24日に継続が議論される日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄することを検討していると言いますが、歯切れは悪い。GSOMIAは韓国も得るものが多く、破棄すれば損をするのは韓国も同様です。

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 南北で軍事協議を行った(2018年9月19日)といっても、北朝鮮はソウルを火の海にできる放射砲を先日発射しました。GSOMIA破棄はそれこそ最後の最後のカードでとっておきたいというのが本音ではないでしょうか。

 日本と比べて打てるカードも少ない韓国ですから、文在寅大統領としては強いメッセージを出すことで国民の力を結集させて、その力でなんとか乗り切ろうということなのだと思いますが、支持率がどう動くか。今の日韓関係は1965年の日韓基本条約締結以来、最悪の事態に直面しているのではないでしょうか」

デモに登場したワゴン車「買いません 行きません 観ません 選びません 1919年、勝てなかったが2019年、必ず勝つ」とある(筆者提供)

「愛国心へ訴えることには成功したかもしれないが」と現地紙

 翌朝3日の各紙社説も厳しいものが並んだ。

 保守系の『朝鮮日報』は、「あらゆる困難の中でなんとか積み上げてきた両国間の友好と協力関係を一瞬のうちに破局へと追いやった日本の経済報復を慨嘆せずにはいられない」と日本以外でも四面楚歌状態の韓国の今の状況を憂え、中道の『中央日報』は、2日の文大統領による対国民メッセージについて「反日感情を鼓吹し愛国心へ訴えることには成功したかもしれないが、これから企業と市民が耐え忍ばなければならない被害を推量し、最小化することに力を注がなければならない」と批判した。

 こうしたどこか悲愴感が漂う社説と対照的だったのは、進歩派の『ハンギョレ新聞』だ。