最近、主題歌男子が増えている。「主題歌男子」とはドラマに出演しながら主題歌も歌っている男性俳優のこと。勝手にそう呼んでいるだけだが。
「あなたの番です」田中圭、「TWO WEEKS」三浦春馬も
今期だと「あなたの番です 反撃編」(日本テレビ系 日よる10時30分)の田中圭が役名・手塚翔太名義で主題歌「会いたいよ」を歌い、9月にはCDをリリースする。また、「TWO WEEKS」(フジテレビ系 火よる9時)では三浦春馬が「Fight for your heart」を歌い、すでにCDが発売された。前クールでは高橋一生が「東京独身男子」(テレビ朝日系)の主題歌「君に会いたい——Dance with you——」を、亀梨和也が「ストロベリーナイトサーガ」(フジテレビ系)の主題歌「Rain」を彼のファーストソロシングルとして発表、山下智久が「インハンド」(TBS系)で13年の「SUMMER NUDE」(フジテレビ系)以来5年半ぶりにドラマとタイアップ、主題歌「CHANGE」を歌った。
また、自身は出演していないが、菅田将暉が同じ事務所の松坂桃李が主演の「パーフェクトワールド」(フジテレビ系)の主題歌「まちがいさがし」を歌うというケースもあった。
主題歌男子は織田裕二や反町隆史、古くは中村雅俊、水谷豊など存在してはいるのだが、最近の主題歌男子はちょっと違う。その違いが新時代のドラマを物語る鍵になっていると見ることができる。ここでは利点及び心配な点、両方について考えてみたい。なお、福山雅治や星野源などミュージシャンが俳優をやって主題歌を歌うケースはここでは省く。武田鉄矢も。
“主題歌男子”と言えばジャニーズ
主題歌男子といってまっさきに思い浮かぶのは、ジャニーズである。むしろ、主題歌男子の専売特許といってもいい。ジャニーズの場合、歌と芝居が両輪なので、ミュージシャンが主演ドラマの歌も歌うという、福山、星野、武田的なパターンといえないこともないが、それはさておく。ジャニーズの主役のドラマでは、嵐やV6、Kis-My-Ft2、Hey! Say! JUMPなどなど彼らが所属するグループが主題歌を担当することが少なくなく、主人公と主題歌がパッケージ化されることが多かった。そんななかで山下や亀梨のようなソロで、よりドラマと密な雰囲気を醸すことも時々ある。ちなみに亀梨は過去にも、劇中の役のなまえ・修二と彰として山下智久と主題歌を歌ったこともある。直近だと、「家政婦のミタゾノ」(テレビ朝日系)で、TOKIOの松岡昌宏が主人公のドラマの主題歌「戯言」を、メンバーの城島茂が島茂子という演歌歌手設定で歌うという企画もあった。