天皇陛下は8月15日の終戦記念日に当たり、全国戦没者追悼式に臨席して、おことばを述べられた。おことばの中では、上皇陛下が戦後70年に当たって2015年から新たにおことばに加えられた戦争に対する「深い反省」という文言も踏襲された。
宮内庁関係者が語る。
帝王教育の賜物に宮内庁関係者は「さすが」
「令和となって初めての全国戦没者追悼式でしたので、天皇陛下は珍しく緊張されているように拝察しました。それにしても、『さすが』というのが職員一般の受け止めです。敢えて文言を足したりはせず、それでいてご自身のおことばとしてしっかり述べておられました。
幼少期から昭和天皇や上皇陛下の背中を見て育ち、帝王教育を受けられてきた天皇陛下は、公の場で物議を醸す発言をされることもある秋篠宮皇嗣殿下とは、やはり一線を画しているというのが正直な感想です」
上皇・上皇后両陛下が確立された〝平成流〟とは、太平洋戦争の戦没者を慰霊し、遺族に寄り添い、激しい地上戦の地・沖縄に思いを寄せるご活動が大きな柱となっていた。令和の時代となり、天皇・皇后両陛下の全国戦没者追悼式での真摯なご姿勢は、こうしたご活動をも踏襲していこうというお考えの表れともいえるだろう。
元宮内庁幹部が語る。
「天皇・皇后両陛下と長女の愛子さまは、8月1日から5日まで静岡県の須崎御用邸で静養をされました。以前でしたら、ご静養中に上皇陛下が『忘れてはならない4つの日』とされている終戦記念日、広島と長崎の原爆の日、6月23日の沖縄戦終結の日に当たった場合、現地で黙祷されることが多かったのですが、今年は広島の原爆の日の前日に帰京されたので、皇太子ご夫妻時代とは違うんだなと感じました」
かつては「終戦記念日にテニス」で大きな批判も
天皇・皇后両陛下と愛子さまは2005年8月10日から17日まで、栃木県の那須御用邸附属邸で静養され、雅子さまと愛子さまはそのまま22日まで滞在を続けられた。この間の終戦記念日に、ご一家でテニスを楽しまれたことで、大きな批判を浴びたこともあった。そういったエピソードからは、隔世の感があるといえよう。