離任大使夫妻との面会などは活発だが……
「皇后陛下には現在、気がかりなこともあります。病気療養中の皇后陛下は皇太子妃時代と比べて、ご公務出席の機会も増えています。インターネット上では『V字回復』などと書かれてもいます。また、元外務省職員で米ハーバード大学を卒業し、英オックスフォード大学への留学経験もある皇后陛下が流暢な英語やフランス語を操るお姿が、海外のメディアなどからも称賛されています。
ですが、赤坂御所でのご公務で見ると、日本から離任する外国大使夫妻との面会などは活発にされていますが、勤労奉仕団との面会(ご会釈)は相変わらずされていません。ご体調の影響というより、内容によって行うご公務を分けられているという印象がぬぐえないのです」(同前)
「勤労奉仕団ご会釈」とは、皇居や赤坂御用地などで清掃活動を行うボランティアである勤労奉仕団と面会して、その労をねぎらうことを言う。もとは戦中の昭和20年5月に空襲で焼失した明治宮殿の焼け跡を片付けるため、終戦直後の同年12月に宮城県の旧栗原村の有志が上京し、ボランティアで皇居内の清掃をしたいと申し出たのが始まりだ。
「勤労奉仕団のご会釈は、戦禍と向き合い復興を果たしてきた日本の象徴である天皇・皇室にとって、最もシンボリックなご公務の1つです。皇后陛下が今後、太平洋戦争の惨禍とどう向き合っていかれるのか、このご公務への取り組み方がひとつのメルクマールになる。天皇陛下もどう思われているのか、注目しています」(同前)
皇后になられてすでに100日
皇太子妃時代、病気療養のためご公務がままならず、批判されることも少なくなかった雅子さまが、皇后になられてすでに100日が過ぎた。祝賀ムードの中で批判が手控えられる米大統領就任などで言うところの”ハネムーン期間”はもう過ぎたのだ。
ただ、現実的には10月に即位礼正殿の儀、11月に大嘗祭と、天皇陛下のご即位にまつわる大きな行事はまだまだ続くことから、祝賀ムードはしばらく続くだろう。しかし、今後も勤労奉仕団ご会釈など、一般の国民からはあまり目に付かないご公務はなさらない状況が続けば、徐々にご公務をないがしろにしていると受け止められるようになるだろう。
皇太子妃時代のように「公務を選り好みしている」といった批判の声が、もし国民の間から再び湧き上がってきたならば、それこそ”令和流”が迎える最初の壁になる。