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《ストライキ続行中の佐野SA》”解雇部長”がベテラン従業員たちの心を掴んだ理由

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会

T氏が立ち上げた労組に救われた

「会社側は、7月に私たちが勝手に組合を作ったと主張していますが、そもそもは今年1月に元総支配人T氏が立ち上げたものです。T氏は『社長と対等になるために権力を増したかった』と言っていて、活動することはありませんでしたが、結果としてこの労働組合に救われました。

 従業員の中にはエアコンの設置はもう無理だという空気がありましたが、ここで諦めてはいけない。要望書には要求が通らなければ、7月下旬にストライキに突入するとも明記しました。7月20日に要求書を提出して、ようやくエアコン導入を勝ち取ったのです」(加藤氏)

 その後、すぐにエアコン導入への調整が再開し、8月5日までフードコートの軽食に2台、厨房に3台のエアコンの設置が完了した。

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レストラン横の店舗もストライキの影響でシャッターは閉じたまま ©文藝春秋

エアコンは入ったけれど……

「いつも開いていた窓が締め切られ、40度以上あった室温は30度にまで下がった。もうこれで夏が来るのを怖がらなくて済みます。従業員たちみんなが喜び合っていましたよ。私も本当に嬉しかった」(同前)

 従業員らは自分たちのことを案じて経営陣と戦う加藤氏の姿に感銘を受けた。しかしこの直後に加藤氏が不当解雇される。そうして着任1年の加藤氏を中心にして、彼らは真夏のストライキへと突入していったのだ。

品物が納入されず、使用中止になっているガチャガチャ ©文藝春秋

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