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突然「ビル・ゲイツに会いたい」と思いたち……無名の大学生が見つけた“成功への抜け道”

『サードドア 精神的資産のふやし方』(アレックス・バナヤン 著)――ベストセラー解剖

2019/10/15
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『サードドア 精神的資産のふやし方』(アレックス・バナヤン 著/大田黒奉之 訳)

 学業や仕事に熱心に打ち込む正攻法ではなく、生まれ持った地位や財産による裏技でもない。世界の思わぬところにあり、誰でも気がつけば辿り着ける成功への抜け道〈サードドア〉。著者は、自身が無名な大学生から若き投資家として名を馳せるきっかけとなった実体験を赤裸々に記すことでそんな人生の扉の存在を指し示す。18カ国刊行の話題書が、日本でも好調だ。

「弊社の翻訳書では近年、『ライフ・シフト』『シュードッグ』の2冊が大きな反響を集めました。どちらもただ働き方のノウハウを教えるだけではなく、自分がいかに生きるべきかを改めて考えさせるような内容を含んでいます。本書もその流れに連なる、挑戦する人の背中を押し、生き方を考えさせるような本だと感じて、出版を決めました」(担当編集者の佐藤朋保さん)

 苦労して名門大学に入ったものの生きる目的を見失った著者は、突然「ビル・ゲイツに会いたい」と思いたち、行動を始める。少しでも近づくために、スティーヴン・スピルバーグ、クインシー・ジョーンズ、レディー・ガガといったセレブたちにゲリラ的に接触し、やがては……。型通りには進まない、実話ならではの不思議な読みごたえがクセになる。

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「味わいはユニークではありますが、何者かになりたくて足掻(あが)く若い著者の姿には、どんな方でも感情移入できるかと」(佐藤さん)

2019年8月発売。初版3万部。現在3刷11万部

サードドア: 精神的資産のふやし方

アレックス バナヤン,大田黒 奉之(翻訳)

東洋経済新報社

2019年8月23日 発売

突然「ビル・ゲイツに会いたい」と思いたち……無名の大学生が見つけた“成功への抜け道”

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