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各紙は「新聞の軽減税率」をどう論じてきたか? 自信とプライドの「読売」、歯切れの悪い「朝日」、電子版はまさかの10%

「新聞て生活必需品なの?」

2019/10/01
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【朝日】「日常生活に欠かせない」位置づけを重く受け止め……

 一方、読売に比べてどこかモジモジしていたのが「朝日新聞」であった。同じ時期の社説をみてみよう(2015年12月16日)。

《新聞が対象に加わった。》

《私たち報道機関も、新聞が「日常生活に欠かせない」と位置づけられたことを重く受け止めねばならない。》

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 なんだこの感じ。おすもうさんが「謹んでお受けします。横綱の名に恥じぬよう精進します」とかしこまって述べているようではないか。

※写真はイメージです ©iStock.com

《軽減税率問題を通じてあらためて浮かび上がったのは、財政の再建と、所得や資産が少ない人への配慮、すなわち「再分配」強化の両方を同時に模索することの重要性だ。》

 なんか歯切れが悪い。自分たち新聞の税率が据え置きになることに対してバツがわるいようにみえた。

 朝日と言えば先週の土曜に山本太郎インタビューを載せていた(9月28日)。

山本太郎氏 ©文藝春秋

 その中で「消費税を廃止すればその穴は20兆円を超えます。できます?」と質問する記者に「むしろできない理由がわからない」と持論を述べる山本太郎。さらに「消費に対する税の影響力は大きい。新聞だって部数が落ち込むのが嫌だから、軽減税率の適用を求めたわけでしょう」と切り返した。

 それまで挑発的に質問してきた朝日記者は何も答えず。完全に一本取られていた。こういうツッコミは今後も新聞には有効なのだろうなぁ……。