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幼少期からブレることなく、物語を作り続けている徳尾さん。やりたいことをとことんやり続ける、その強い信念が自信となって、滲み出ているように見えました。

――慶應では、演劇サークルに入られたんですか?

 はい。でも、やっぱり慶應は早稲田とは違って、演劇サークルの数が少なくて。

 選択肢は、活動がすごく盛んだった「創像工房 in front of.」っていう100人くらいの団体と、「演劇研究会」っていう15人くらいの老舗サークルのほぼ2択でした。

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 そして僕は、小さい方の「演劇研究会」に入りました。

――どうして「演劇研究会」を選んだんですか?

 最初は「創像工房」の方から勧誘を受けていて、ここに入ろうって思って部室に申し込みに行ったんですよ。

 その時は知らなかったんですが、この2つの演劇サークルは交代で同じ部室で使っていて。

 ちょうど申し込みに行った時は入れ替わっていて、「演劇研究会」のターンだったんです。

 で、「入ります!」って言っちゃったんで、「演劇研究会」に入ることになりました。

 なんか変だなとは思ったんですけど(笑)。

――選んでなかったんですね(笑)。

 そうなんですよ(笑)。

 でも結果、「演劇研究会」に入って良かったなと思っています。

 本当に人数が少ないサークルだったので、先輩が卒業してからは、脚本を書く人も舞台を演出する人もいなくて。

 結局、大学生活の4年間は、ずっと僕が脚本を書いて、演出もしていました。

 もし人数が多い「創像工房」に入っていたら、そんなチャンスは、4年間で1回くらいだったでしょうから、本当に貴重な経験だったと思います。

撮影にもだいぶ慣れてきた徳尾さん。表情もサマになっています!

――そして大学卒業後に、ご自身の劇団「とくお組」を結成されたんですね。

 はい。自分の劇団を作ろうと思った時は、「創像工房」にいた役者たちに声をかけました。

 みんな僕のお芝居を観てくれていたし、僕もみんなのことをいい役者だなと思っていたんですけど、実は4年間ほとんど喋ったこともなかった人たちなんですよ(笑)。

 劇団としての活動はお休みしていますが、今でもみんな仲良くてよく会っています。

――「とくお組」の公演は2015年が最後です。今後公演をする予定はありますか?

 特に予定はないんですけど……だいたい今公演をしようと思っても、上演は2年後とかですよね。

 まずは、劇場を押さえることから始めなきゃならないですから。

 でも、「もうそろそろやりたいです」ということは、劇団のみんなには伝えていて、2021年ぐらいにはやりたいと考えています。

 あとは、駅前劇場(※)次第です!(笑)

ご自身の劇団「とくお組」についてお話しする徳尾さん。結成時に声をかけたメンバーは、大学を留年して卒業できなかった方ばかりだそう(笑)。劇団愛を感じます。

(※)駅前劇場は、東京・下北沢にある小劇場の一つで、以前「とくお組」の公演もよく上演されていた劇場。