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現在放映中の「テレビ演劇 サクセス荘」(TX)は、舞台の演出を取り入れた新しい感覚のTVドラマ。まさに徳尾さんらしい作品です。※2019年8月現在

――2019年10月から始まるNHKの連続ドラマ「ミス・ジコチョー ~天才・天ノ教授の調査ファイル~」についてお聞かせください。

 大きな事故があった時に、その原因を調査する「事故調査委員会(事故調=ジコチョー)」という組織があるんですけれども、そこに焦点を当てたドラマです。

 今回、この脚本を書くために取材して初めて知ったんですが、「失敗学」という学問があるんですよ。

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 人はいろいろな失敗をしちゃうけれども、失敗することは悪いことではなくて、その失敗から何を学び取れるのか、次に同じことをしないためにどんな防止策を打てるのか、ということを研究する学問なんですね。

 松雪泰子さん演じる、その失敗学の教授が、ジコチョーで活躍して様々な事件の真相解明をしていくというストーリーです。

 僕にとっては「ハードナッツ!」「スリル!」に次ぐ、NHKのミステリードラマで、今から放映が非常に楽しみです!

「ミス・ジコチョー」では、同じ脚本家事務所で仲の良い八津弘幸さん(代表作は「半沢直樹」や「陸王」)とタッグを組んでいるとのこと。期待が高まります!

――今後の展望は考えていらっしゃいますか?

 全然考えてないんですけど、ドラマの脚本を書いている以上は、良いドラマを作りたいです。

 あとは、「おっさんずラブ」のようなオリジナルの連続ドラマの仕事がたくさん増えればいいな、とは思います。

 僕に声をかけてくれるプロデューサーが、「こいつはオリジナルがいいな」って思ってくれるように頑張るっていうか。

 原作があるドラマも、もちろん素晴らしいものはたくさんあるし、嫌なわけではないんですけど、物語をゼロから作るというのはすごく刺激的なことなので。

――最後に、今後の課題はありますか?

 本当に締め切りが守れなくて……。

 こんなはずじゃなかったんですけど、この1年くらい、どうして僕はこんなに締め切りが守れなくなってしまったんだろうって(笑)。

 忙しすぎるってことではないんですけど、集中力ってなかなか続かなくなってくるもんで、すぐネットしちゃう。

 集中力をいかに持続させるかっていうのが課題ですね(笑)。


 今や押しも押されぬ人気脚本家になられた徳尾浩司さん。

 これからも人に夢を与える「おっさんずラブ」のようなオリジナリティあふれる作品を大いに期待したいです。

写真=佐藤 亘

記事提供:CREA WEB

 

徳尾浩司(とくお こうじ)
1979年生まれ、大阪府出身。脚本家、演出家。柔らかい日常的なセリフと緻密なストーリー構成で、映画『走れ!T校バスケット部』、TVドラマ「おっさんずラブ」(EX)、「チア☆ダン」、「きみが心に棲みついた」(ともにTBS)などの脚本を手掛けている。最新作は『劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』が2019年8月23日(金)より公開。NHK「ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~」が10月より放送開始。