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タフマンは8%でユンケルは10%……やっぱりおかしい軽減税率が遂にスタート

医薬品こそ“生活必需品”ではないのですか?

2019/10/02

 10月1日、消費税の標準税率が10%に引き上げられるとともに、飲食料品などの生活必需品を8%に据え置く軽減税率の導入が始まりました。増税前に日用雑貨品の買いだめや、高額品の駆け込み買いをした人も多かったのではないでしょうか。

 増税直前の9月末、私も「花粉症薬」の買いだめを検討しました。ドラッグストアなどで購入できる市販の医薬品が軽減税率の適用外であること、つまり消費税が10%かかることを遅ればせながら、最近になって知ったからです。

 ちなみに、私が毎シーズン買っている花粉症薬の使用期限は、「出荷時点から使用期限終了まで1年以上」だそうです。ですから、来シーズン用の買いだめも不可能ではありません(早めにまとめ買いをする際は、使用期限等を確認したうえで購入してください。また、薬は日光の当たらない湿気の少ない涼しいところで保管してください)。

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 私は30年来の花粉症で、毎年春先になると激しい目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに悩まされます。そのたびに、ドラッグストアで買った花粉症薬を飲んで、スギ花粉の飛散が終わるまでの1~2か月間を耐え忍んできました。

薬代の負担増は無視できない

 花粉症薬(抗ヒスタミン薬)というと、以前は飲むと眠くなる困った副作用がありました。それが2011年に、それまでは医師の処方箋がなければ使えなかった第2世代の抗ヒスタミン薬がドラッグストアなどでも買えるようになりました。ちなみに、処方箋なしに販売できるようになった医薬品のことを、医薬用語で「スイッチOTC」と言います。

 スイッチOTCの花粉症薬を気軽に入手できるようになり、私は仕事中にウトウトすることなく、花粉の猛攻撃をしのげるようになりました。第2世代の抗ヒスタミン薬を開発してくれた研究者や製薬会社の方々には、本当に感謝しています。

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 ただし、この薬は高いのです。私がよく利用しているブランド薬A(有効成分20mg配合)の希望小売価格(9月末時点)は、6錠入りで税込み1490円、1錠あたり約248円もします(12錠は2138円で1錠あたり約178円、24錠は3866円で1錠あたり約161円)。

 1日1回飲めば効くとはいえ、2か月毎日飲み続ければ、薬代が10000~15000円かかる計算です。さらに10月からは増税分2%がプラスされますから、トータルで200~300円ほどアップする計算です。花粉症薬を使う期間は限られているとはいえ、毎日「1円でも安く」と家計をやりくりしている人にとっては、無視できない負担増かもしれません。