オロナミンCは8%、リポビタンDは10%
それに、軽減税率のことを調べてみて、首をかしげざるを得ないこともありました。市販の医薬品は10%の標準税率となっているのに、一部の栄養ドリンク、健康食品、サプリメント、トクホ等には、8%の軽減税率が適用されているのです。
たとえば栄養ドリンクの場合、リポビタンD、アリナミン、リゲイン、ユンケル、チオビタドリンクなどは10%です。しかし、同じような容器の形状で、同じ棚に並んでいることの多いオロナミンCやタフマンは8%、レッドブル、モンスターエナジーなど最近流行りのエナジードリンクも8%となっています。
その違いはどこにあるのでしょうか。それは「食品」であるかどうかです。リポビタンDやアリナミンなどは「医薬部外品」と表示されています。「医薬品」「医薬部外品」などは「食品」には該当しないので、軽減税率は適用されません。しかし、オロナミンCやレッドブルは「炭酸飲料」や「清涼飲料水」なので「食品」にあたり、8%となるのです。
健康食品、サプリメント等も「医薬品」「医薬部外品」にあたらず、「食品」扱いなので8%。また、トクホの略称でおなじみの特定保健用食品や、機能性表示食品、栄養機能食品といった、健康にいいとされる成分が入っている「保健機能食品」も、「食品」なので8%なのです(なお、「アリナミン」「チョコラBB」「ハイチオール」といったビタミン剤は「医薬部外品」なので10%)。
医薬品こそ生活必需品ではないのか?
これを知って、みなさんはどう思われましたか? 私はキムタク風に「おい、ちょ待てよ」と言いたくなりました。栄養ドリンク、健康食品、サプリメント、トクホなどは「薬」ではないので、表示できる内容が法律で制限されています。なのに、まるで何かに効く「薬」であるかのようなフリをして、宣伝されることも少なくありません。
しかし、こんなときだけ「食品」扱いになって、軽減税率が適用されるのです。それに、栄養ドリンク、健康食品、サプリメント、トクホなどは食品と言っても多くがふつうの食品より割高です。いわば「ぜいたく品」であり、生活必需品とは言えません。
むしろ、花粉症薬のような医薬品こそ、生活必需品ではないでしょうか。これがなければ私は、花粉症のシーズンにまともに仕事をすることができません。頭痛持ちや生理痛に悩む人には痛み止めが欠かせませんし、切りキズには絆創膏が必要です。なのに、なぜ10%なのでしょうか。