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“うつ”などの精神症状を訴える人が発症するケースも

 胸痛という症状が出る病気には、心筋梗塞や狭心症、不整脈のように命にかかわる心臓の病気の他、胃潰瘍などの消化器疾患である可能性もある。

 また、メンタルの問題が「胸の痛み」となって現れることもあり、神原医師は「原因不明の胸痛のうち17%が心因性――という報告もある」と指摘する。

 症状だけを見ると狭心症に似ているところがあるため、それを不安に思って受診する患者は多い。場所が場所だけに、心配になるのも仕方ない。

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「ネットで調べると、脅すような情報ばかりが氾濫しています。いま症状がある人がそうした情報に接することで不安が増大する。特に、ストレスから症状を起こすような人は神経が繊細なので、不安も大きくなりがちです。どんどん自分を追い詰めて、不安と症状を強くしてしまう。まさに悪循環です」(神原医師、以下同)

 症状の出方は個人差があるが、強い胸の痛みに恐怖を感じて救急車を呼ぶ人もいる。また、先に“うつ”などの精神症状を訴えている人が、あとから胸の痛みを感じるようになり、精神科や心療内科から紹介されて循環器内科を受診するケースもある。

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「検査を受ける」と8割以上は痛みが消えていく

 ちなみに本当の狭心症であれば、痛みのある時にニトログリセリンを服用すると症状が改善するが、心因性の胸痛症候群には効果を示さない。そのような患者に対して神原医師は、半夏厚朴湯、炙甘草湯、加味逍遙散などの漢方薬を処方することが多いという。

「西洋薬では、精神状態を落ち着かせる作用のあるメイラックスという薬などの抗不安薬をお守り代わりとして出すことはありますが、そこまで行くのは稀なケース。多くは最初の検査の途中で症状が治まっていきます」

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