大原櫻子が「紅白」よりも緊張したのは……
――音楽プロデューサーの亀田誠治さんは「歌うために生まれてきた子」と特に大絶賛だったそうですが、オーディションまでに歌を習っていたんでしょうか?
大原 小学生の頃は今の私の歌い方とは正反対な声楽を習っていました。とにかく歌うことが好きで、小学校の時から自分の好きなことだったり、特技を披露する「○○発表会」ではすぐに歌っていました(笑)。高校からは友達とバンドを組んで、文化祭で披露したり。
――文化祭で大原さんが歌ったら絶対話題になりますよね。何を歌ったんですか?
大原 椎名林檎さんとかSuperflyさんをカバーしていました。実は『カノ嘘』のオーディションも文化祭で歌ってる私を見て、友達が「女子高生で歌が大好きな主人公だから、櫻子に絶対合ってる」って、応募を勧めてくれたんです。
――バンドと言えば、主人公の理子はギター少女ですよね。『カノ嘘』が決まる前からギターは……?
大原 いえ、全然。撮影の2か月前から猛特訓して、持ち方から「違う違う、ダメダメダメ」と言われ続けて、必死に頑張りました。
――持ち方から特訓していた大原さんも今では「紅白歌手」です。2015年に自身で作詞を担当された『瞳』での初出場でした。やはり紅白は緊張しましたか?
大原 毎年家族と見ていた紅白歌合戦に自分が出るなんてびっくりですよね。でも紅白はお祭り状態で、緊張する前にハイテンションになるんです。現場もみんな楽しきゃいいよね、みたいな。しかも紅組のトップバッターだったので、気づいたら終わってたんです(笑)。
――ということは全然緊張しなかった?
大原 緊張したと言えば、人生で初めてテレビで歌を披露した『FNS歌謡祭』が一番かもしれません。生放送で、しかもmiwaさんとのコラボ。
――それは緊張しますね!
大原 オイオイ! って感じですよね。もう泣きながら練習しましたよ。本番は今でも思い出せるほどすごく緊張しました。
「櫻子さ、眉毛の表情がないんだよ」と言われたデビューだった
――歌の初披露という話で続けてお聞きするんですが、『カノ嘘』もほぼ初演技でいきなりの主演ですよね。それこそ苦労が多かったように思います。
大原 監督に何回も何回も、「櫻子さ、眉毛の表情がないんだよ」っていうことをずっと言われて。自分としてはしっかり演じているつもりなんですが、それをうまく表に出せないというストレスがありました。これはどうしたもんかなと。『カノ嘘』が終わってからも続いた課題だったんですが、やっと自分の中で納得した表情ができるようになったのは舞台への挑戦がきっかけでした。