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小さい頃に憧れたミュージカル『ミス・サイゴン』でヒロイン役に

――2016年から始まる地球ゴージャスプロデュースの『The Love Bugs』ですよね。この公演で舞台初挑戦となるわけですが、その後も『リトル・ヴォイス』や劇団☆新感線『メタルマクベス』など続々と出演されます。

大原 最初は緊張している暇もなく、とにかく自分のやるべきことをやるしかない! という思いでぶつかっていく毎日でした。ありがたいことに出演させていただく作品にも恵まれていて、やりがいのある舞台を経験させてもらっています。

――着実にミュージカル・舞台の世界でも実力を発揮されていますが、来年2020年には名作ミュージカル『ミス・サイゴン』で、ヒロイン・キム役として出演が決定しています。

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大原 出演が決定した瞬間は素直に嬉しかったです。それこそ小さい時に『ミス・サイゴン』を見て、舞台の世界に憧れを持ったんです。オーディションはワークショップのような形で、受かる受からないに関わらずすごく濃厚なレッスンだったなと。

 

――オーディション形式だったんですね。今回は大原さん以外にも3人(高畑充希・昆夏美・屋比久知奈)の方々がキム役を演じられます。これはフォースキャストと言うんでしょうか?

大原 舞台ですと「クワトロキャスト」と言いますね。みっちゃん(高畑充希)は『わたしは真悟』という舞台で共演させていただいて以来ご飯も行ったりして、先輩なんですけど友達のような親しみやすい方なんです。今回のキム役も「不安なところもあるけど、頑張ろうね」と話したり。昆さんは初共演なんですが、この間も『マリー・アントワネット』を観劇しまして、いやあカッコいいなって。ご一緒できて本当に光栄です。屋比久さんは『モアナと伝説の海』で素敵に歌われていて、可愛らしいなって思っていて。本当に尊敬できるお三方と共演する貴重な機会を頂きました。

――同じ役を演じる上で、それぞれに個性も出てくると思います。大原さんはキムという役をどう演じられるか、イメージが出来ていますか?

大原 稽古も始まっていないのでまさに今も考えている最中なんですが、キムの強さを演じるのは大事なのかなと思っています。少女時代から始まり、子供を産んで、大人の時代に至るまでを演じる中で、少女としての純粋さも、女性としての力強さも演じ分けていきたいです。

憧れの俳優をお聞きすると、「宮沢りえさん、男性だと古田新太さんの演技に憧れています」とのこと。

「自分の軸はやっぱり『お芝居』なんです」

――大原さんは女優・歌手で、その中でもミュージカルだったりドラマだったり様々なことに挑戦されています。同世代を含めて、ここまで幅広く活動されている人も数少ないと思いますが、一番大切にされていることはなんでしょうか?

大原 自分の軸はやっぱり「お芝居」なんです。歌手のときも歌詞は台詞で、それがメロディーに乗っているか乗っていないかの違い。ミュージカルも、本質はお芝居を音楽に乗せることだと思っていて。だからすべて「お芝居」という軸があるんです。

 私はシンガーソングライターでも脚本家でもないので、自分の「お芝居」を通して誰かの想いをお届けするのが私の仕事だと思っています。

 

#1より続く)
写真=三宅史郎/文藝春秋

#1 「吉沢亮は熱い男なんです」“天陽くんの奥さん”大原櫻子だけが知る『なつぞら』撮影秘話
http://bunshun.jp/articles/-/14530

INFORMATION

舞台『怪人と探偵』

中川晃教 加藤和樹 大原櫻子 高橋由美子 六角精児 他

あらすじ
昭和34年(1959年)東京麻布。元子爵北小路家の令嬢・リリカ(大原櫻子)と安住財閥御曹司・竜太郎の婚約発表の日、北小路家の大広間では、華やかな仮面舞踏会が催されていた。パーティの最中、不思議なことに、誰も気づかぬうち、大広間の柱時計には怪人二十面相(中川晃教)の犯行予告状が貼り付けられる。『3日午後10時北小路家の家宝「パンドーラの翼」を頂戴する』指定の日時、二十面相の犯行を阻止するために、探偵・明智小五郎(加藤和樹)が北小路邸を訪れる。明智を一目見た北小路家の令嬢のリリカは明らかにショックを受ける。明智も動揺を抑えている。実はリリカには暗い過去があり、明智とリリカには深いつながりがあったのだ。10時を告げる鐘の音と共に、予告通り怪人二十面相が現れ、「パンドーラの翼」は爆発、明智は負傷し、二十面相がリリカを連れ去ってしまう。

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