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天皇がたった一度だけ、友人の前で「酔いつぶれた日」

陛下の御学友が語る高校時代からの日々

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いつでもスーツにネクタイというお姿だった上皇陛下

 陛下とおしゃべりする場所は、プライベート用の応接室でした。決まった話題はなく、山登りや旅行にお出かけになったあとなら、その写真を見せてもらいながら英語でおしゃべりするといった具合です。御所内を散歩しながら話すこともあれば、音楽室で陛下がビオラ、私がピアノを演奏して楽しむこともありました。

 夕飯をご馳走になって帰ることもたびたびありました。ご家族の団欒に入れていただき、当時の礼宮さま、紀宮さまとも一緒に晩ごはんをいただきました。

紀宮さまと

 御所の音楽室でご一家の演奏会に参加したこともあります。上皇陛下は、何度お会いしてもスーツにネクタイというお姿でした。御所といえば、ご自宅なのに、リラックスした格好ではありません。そこは、一般家庭のお父さんとは違うなぁと感じたものです。

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 いま思えば、故郷を離れている私が寂しいだろうと、みなさんでいろいろ気づかってくださったのでしょう。

陛下が一度だけ酔っ払った夜

 成人してからは、陛下とお酒をご一緒するようになりました。地理研のOB会や御所でのバーベキューなど気の置けない友人たちと飲むのです。よく知られるように、陛下はお強いので酔って乱れたことはありません。

 酔っ払ったところを拝見したのはたった一度だけ。それは90年に秋篠宮さまと紀子さまがご結婚されたあと、赤坂の東宮仮御所に親しい友人が集まって、“先を越されて残念会”のガーデンパーティーを開いた日のことです。テーブルにビール、日本酒、ワイン、ウィスキーが並び、チャンポンしたのがいけなかったのかもしれません。陛下が話の途中で一点を見つめたまま動かなくなりました。「大丈夫ですか?」と声をかけても「う~ん」と唸ったきり。やがて席をお立ちになり、お休みになられたということでした。

 秋篠宮さまがご結婚され、親しい友人が集まったのがうれしかったのでしょう。もしかしたら、先を越されたプレッシャーがあったのかもしれません。酔ったお姿を拝見したのはその一度きりです。

陛下とご一緒にお酒を飲むアークリーさん

 陛下がお休みになったあと、新婚の秋篠宮ご夫妻がお出でになりました。ご兄弟でお酒を酌み交わすところが拝見できなくて、とても残念でした。