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東京初上陸 駅そばの伝説「音威子府」の名前がつくそば屋の実力は?――海苔レベルの「黒いそば」

2019/10/29
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鮮やかなムラサキが映える「たぬき蕎麦」

「たぬき蕎麦」の甘汁(つゆ)は芳醇な出汁と返しの香りが立ち昇り、鮮やかなムラサキが映える滋味深いタイプである。わかめ、ほうれん草、たぬき、真ん中に紅白のかまぼこ一片がのる。豊かな気持ちにしてくれるようなそばであった。

豊かな気持ちにしてくれるような「たぬき蕎麦」

 鈴木さんはこれからの思いを語ってくれた。「まだ、店がオープンして2週間なのですが、北海道出身の方やそば鉄の方が、大勢、来店してくれています。また、音威子府村の役場の方々も応援してくださり、一路食堂様とは今も情報交換させていただいています。本当に感謝しています。音威子府そばを大切に育てていきたいと思っています」

 四ツ谷三丁目の荒木町界隈は大人の街である。寿司屋、静かなバーもある。旨い牛たんの「たん焼き 忍」も近い。北海道の食材なども仕入れ、「立ちそば処 つぼみ家」とはまた違うベクトルでスタートした「音威子府TOKYO」がこの街でどのように成長していくか楽しみである。天ぷらもうまそうだった。また訪問しようと思う。

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これからの「音威子府TOKYO」の成長が楽しみである

 この秋は台風15号・19号の被害など暗い出来事が多かった。そばの産地も被害を受けたようで心配だ。はやい復興を祈るばかりである。

写真=坂崎仁紀

INFORMATION

音威子府TOKYO

住所 東京都新宿区舟町3-6 今塚ビル1F

営業時間 月~土11:30~14:00 17:00~23:00

定休日  日祝

東京初上陸 駅そばの伝説「音威子府」の名前がつくそば屋の実力は?――海苔レベルの「黒いそば」

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