慶應大学にまで文科省役人が天下っていた疑惑が出てきて、びっくりするやら呆れるやら。国立大学だけでなく私大の両雄・早慶にも文科省支配の網の目が張りめぐらされていることが判明してきたわね。
組織ぐるみで、隠蔽のための想定問答まで作っていたなんて、明らかに国家公務員法違反よ! 国会に呼ばれた前川前事務次官は人柄もよく、教育界では評判のいい人。他の関係者も私利私欲で動いたというより「人助け」精神。だからこそ余計にダメ。文科省の天下り問題は、他の省庁とは、影響が全く違う。
小学校では二〇一八年度、中学校では二〇一九年度から「道徳」が教科化。教育を職とする人間がなにも聖人君子である必要はないけど、法律違反や隠蔽工作までしておいて「道徳」なんて語れないわよ。
しかも、二〇二〇年度には戦後最大の教育改革が控えている。暗記中心の勉強から、情報を読み取り考える学習へと舵をきり、センター試験も廃止予定。この一大転換を成し遂げるには国民の理解と信頼が必須なのに、その矢先にこの事態。文科省は教職員を減らさないよう財務省と闘っているから、最近はボク、悪口を言わないで応援してきたのに……。
大学が文科省の人間を欲しがる理由はよくわかる。文科省は大学への交付金や補助金の権限を握っているし、特に最近は、ボクの勤める法政もそうだけど、「スーパーグローバル大学」に指定されると学校のブランド力が一気にアップ。選ばれるためにはどう書類を作るのか、どこを強調すればいいのか、必死で探ろうとするわけ。そういった業務に精通した人材は、喉から手が出るほど欲しいのよ。
政府の再就職等監視委員会には、天下りの実態を解明するだけではなく、役人の第二の人生はどうあるべきかまで示してほしいわね!