1ページ目から読む
3/3ページ目

日本人の知らない側面3:起業・投資分野に興味津々

 日本であまり知られていない大坂のイメージとして「意欲的なビジネス・パーソン」であることが挙げられるかもしれない。アメリカのスポーツ界では、ベテランになってから起業・投資分野に本格参入する選手が多いのだが、22歳の大坂は経済誌Forbesにてキャリアの早くから事業を行う決意を表明している。

 インタビュー中、お抱えのチームに自身の興味や性格と合致するブランドを探すことを依頼したと明かした大坂は、スポーツ飲料を手掛ける「ボディーアーマー」、フィットネス機具を手掛ける「ハイパーアイス」、電子機器を手掛ける「ミュージック」のベンチャー企業3社とパートナーシップを結んだだけではなく、3社の株式も受け取っているという。 「テニスコートの内外で世界的な影響を与えたい」と言ってミュージック社のスマート・ヘッドフォン製作にも携わってしまったというのだから驚きだ。

 男性選手よりも報酬が低い傾向にある女性アスリートだが、昨今はソーシャルメディアを駆使してさまざまな高報酬ビジネスが行える環境ができあがりつつある。ビジネス面でも、大坂なおみは新時代の象徴と言えるだろう。

ADVERTISEMENT

©getty

 アスリートの商業的キャリアは、結局のところ、本業での勝利に支えられる。大坂が出場する次なるグランドスラム、そして2020年東京オリンピックは、世界中から注目を浴びる大舞台になるだろう。

 もちろん、本人は外部の風評など関係なしに未来を見据えているはずだ。「私にできるのは前に進んでベストを尽くしつづけることだけ」と語る大坂に、テニス界の女王クリス・エバートが最大級の賛辞を送っている。「なおみはうしろを振り向かない。それこそチャンピオンの証ね」。