街に男性向け風俗店は溢れている。それに比べ、女性向け風俗店はほとんど見かけない。女性だって風俗店を利用してもいいはずなのに……。そう考えたことのある人も実は結構いるかもしれない。本書の著者、鈴木セイ子さんは、女性のための生活カウンセラーとしてサロンを主宰している。様々な女性の相談に乗っているうちに、ごく普通の人たちが、ごく普通に女性向け風俗を利用していることに気がついたという。
「クライアントの話に〈女性向け風俗サービス〉が時々出てくるようになり、興味を持つようになりました。というのも、セラピーの一種、という感じで利用されていたんです。そこで、どういうものなのか調査しようと思っている、と長年の友人に話したら、『実は自分も利用している。でも、墓場まで持って行くような話だと思っていた』と言われて。こんなに近くにサービスを使っている人がいたのかと、びっくりしました。男性同士では普通に性的な話をするのに、女性がそういう話をすることに対するバッシングというか、嫌悪感はすごいですよね。だから、中々その実態がわからなかったんです」
鈴木さんは、「女性専用性感マッサージ」「レンタル彼氏」「ホストクラブ」「出張ホスト」の4種類のサービスを試してみることにした。本書は、そのサービス体験や、「彼氏」側の人たちの実情も綴られたノンフィクションだ。