藤井さんは他の棋士と全然違うなと思いました
【第3期叡王戦 本戦】12/23(土) 深浦康市九段 vs.藤井聡太四段の対局は、深浦九段が166手までで勝利し、本戦ベスト8進出を決めました。
— ニコ生公式_将棋 (@nico2shogi) 2017年12月23日
この後、対局後インタビュー・感想戦を生放送します。
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深浦 感想戦のときは、かなりがっかりしていて、話しかけづらい状態でしたね。ソフトだったら自分が1000点から2000点負けているような状態からのことでしたから、藤井さんはショックだったと思います。ああいう負け方は、その時点ではなかったでしょうから。
――やはり対局してみると、藤井聡太独特の強さというのは感じるものですか。
深浦 この叡王戦の前に、AbemaTVさんの番組でも対局していた(非公式戦「藤井聡太四段 炎の七番勝負」。結果は藤井聡太の勝ち)のですが、中盤から終盤、相手玉を詰ますまでのアプローチが他の棋士と全然違うなと思いました。意外な手段から入って自玉が寄せられるまで、今まで感じたことのないものでしたね。
――将棋の内容以外で何か印象に残ったことはありますか。
深浦 あの叡王戦の対局は、将棋会館の5Fの部屋でやっていたんですけど、その部屋は靴を脱いで上がるんですよ。トイレに行くときは自分の靴を履くわけですが、そこにスニーカーがある。あのとき藤井さんは、まだ中学生だったんですよね。将棋会館にある靴って、ほとんど革靴なので、「あぁ、スニーカーなんだ。よく考えたら30歳くらい違うんだなぁ……」と、ちょっと親心が芽生えてしまいました。それで「いけない。いけない」と(笑)。
羽生さんを超えていると思いますね
スニーカーを履いた中学生棋士との激闘を経験した深浦九段は、やはり藤井聡太という棋士には、別格という印象を持っているという。
深浦 デビュー時からよく見ていますが、棋士としてのスタートラインに立ったとき、これだけいろんな能力を備えている人は、過去にいないと思います。詰将棋の力はナンバーワンですし、ソフトを導入した序中盤も隙がありません。そして将棋界では20代の間は伸びるというのが常識なので、まだまだ伸び代がある。これは驚異的なことで、デビュー時などの力を比較しても、羽生さんを超えていると思いますね。
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なお、深浦九段と藤井七段の対局は、前述のAbemaTVの非公式戦と叡王戦、そして66期王座戦挑戦者決定トーナメントの3局がある。公式戦では1勝1敗の五分。次なる対戦が今から楽しみだ。
対局数が物語る「超一流」の証
81戦33勝48敗。
これは深浦康市九段側から見た、もうひとりの「将棋星人」羽生善治九段との生涯対戦成績である。
深浦九段と同じ1991年10月にプロになった豊川孝弘七段は「僕は羽生さんとは1回しか対局したことがない。羽生さんと80局以上指している深浦さんは本当にすごい」と語っていたが、この80局を超える羽生九段との対局数も、深浦九段が超一流である証のひとつといえるだろう。