『豆腐プロレス』。豆腐屋のかたわら女子プロレス道場をやってた父の急死で、それまで反発していたプロレスの世界に入っていく女子高生。ムリヤリ仲間をかき集め団体をつくり、WIP(ワールド・アイドル・プロレスリング。女子高生プロレス興行)に殴り込む! その女子高生たちをAKBグループの面子が演じる!……と聞いただけでキワモノと思う。深夜だし。AKBお色気コスプレドラマか。
などとちらっとでも思った私は深く反省している。エロなどと思う余地もない。多少のスタントは使ってんだろうが、プロレス場面はすごくちゃんとやってる。悪役レスラーなんてこれがAKBメンバーとは誰も思うまい。いちばん驚いたのは「ハリウッドJURINA」こと松井珠理奈。私は松井珠理奈を可愛いと思ったことがなく、なんであんなに選挙で順位が上なのかさっぱりわからない。そんな珠理奈の女王プロレスラーぶりに目がクギヅケ。最近茶髪にしたのが似合ってねー、と思っていたのが、プロレスラーやってるとこれがありえないほど似合う。私が可愛くないと思う松井珠理奈の顔そのものなのに、この女子プロレスラーJURINAは「これならわかる、ついていきたいという気持ちが」と思わせる。でもJURINA役を離れて『赤いピンヒールとプロフェッサー』という大人ぶったイイ女曲を歌い踊ってるのを見ると元の印象のままで、珠理奈はハリウッドJURINAでずっと行ってほしい、のだけどそうはいかないし本人もJURINA役は本気っぽいけど一生コレってのもイヤだろうし、……でも松井珠理奈は見直したよホント。
今のところ、豆腐屋の娘である主役の宮脇咲良が「ただ可愛い」だけで女子プロっぽくぜんぜんないから、いずれこのJURINAとどう戦うまでに成長するのかが見モノである。が、このドラマ、やる気の現れが妙な方向に出ているというのか、宮脇咲良が寝っころがってため息ついてるところの妙に長いカットとか、渡辺いっけいの有名女子プロ団体社長の、ただのワルだけじゃないよと言わんばかりの複雑な表情をちらっと映すとか“さりげないシーン”的なやつがいっぱい出てきて話の進みが遅い。2クールあるから腰を据えてるのかもしれないが、もうちょっと巻きで進めてほしい。そうじゃないとAKBヲタとJURINAに目覚めた人とか以外は脱落しそうで心配だ。