4日、安倍首相と文在寅大統領がソファに並んだ、ASEAN+3首脳会議での一コマ。

 韓国の青瓦台(大統領府)は、13カ月ぶりの、この10分ほどのやりとりを「日韓歓談」と表現した。

RCEP首脳会合の記念撮影にて。左からスコット・モリソン豪首相、安倍晋三首相、文在寅・韓国大統領 ©共同通信社

「電撃的歓談」と持ち上げる、文政権に近い韓国紙

「歓談」は、韓国語でも、「打ち解けた話し合い」という意味。その日のプライムニュースではトップ扱いとなり、翌朝の新聞も一斉に伝えた。ただし、各社の間には温度差が。

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 進歩、中道系の新聞は社説で取り上げた。政権にもっとも近いといわれるハンギョレ新聞は、「韓日首脳 電撃的歓談 固く閉ざされた“対話の門”を開くか」(11月5日、以下同)とし、「両国首脳は直ちに葛藤解消のために実践的な行動に乗り出すべきだ」と訴えた。

 京郷新聞は、「韓日葛藤以降、初めて会った文大統領と安倍総理」という社説で「両国の説明を総合するとこの日の短い話し合いが韓日関係の改善突破になる可能性は高くないようだ」としながらも文大統領が安倍首相に会うために積極的に動いたことを評価し、「過去史の解決策の準備に続いて日本の輸出規制撤回とGSOMIAの延長を互いに認める妥協が現在としては最善」と日本も動くべしとした。

保守系新聞は日韓の温度差に焦点

 一方、保守系では東亜日報が6日の社説で取り上げたが、他紙は記事中で触れたのみ。

 中央日報は「青瓦台とあまりにも違う日本のブリーフィング 歓談の雰囲気友好的? 韓国に聞いてくれ」というタイトルをつけ、東京特派員が取材した日本での記者会見の一問一答を掲載。日本メディアは「安倍首相が『1965年の日韓請求権協定によりすべて解決済みとした』ことを強調し、文大統領が(延長期限が迫る)GSOMIA(を延長するか否か)で焦っている」と報じたと伝えた。進歩系が今回の短い話し合いを評価したのに対し、日本との温度差に焦点を当てた格好だ。

 社説で取り上げるかどうか、意見がまっぷたつに分かれたと話すのは中道系紙の論説委員だ。