ネットフリックスが生き残るためには?
一方で、一般ユーザーとしては、業界再編という大きな動きよりも、サービスに加入して継続するに値するかが大きな興味でもある。動画配信サービスはサブスクリプション方式なので、ネットフリックスにしろ、「ディズニー+」にしろ、1カ月だけ加入するユーザーももちろん大事だがサービスをいかに継続利用してもらうかが鍵となる。
つまりユーザーが月額として支払う利用料金に対し、どれだけ作品を視聴したか、またその作品に対する満足度が高いかどうかである。「ディズニー+」は視聴時間で言えば「プライムビデオ」を早くも超えたとのことだが、ネットフリックスの600万時間にはまだ遠く及ばない状況もある。1日24時間の中で、どれだけ自社コンテンツにユーザーが時間を割いてくれるか、コンテンツ力でユーザーを掴んで離さないことが生き残りとして不可欠だ。
そんな今だからこそ、業界を黎明期から牽引してきたネットフリックスは一番の稼ぎ頭である『ストレンジャー・シングス』に次ぐヒット作を作り出すことが急務だといえるだろう。『ストレンジャー・シングス』は2016年に配信を開始したネットフリックスオリジナルのSFドラマシリーズで、現在シーズン3まで発表されている。
80年代の架空の街ホーキンスで起こる超常現象にオタク少年たちと超能力を持った謎の少女が立ち向かうストーリーで、その人気は留まるところを知らない。2017年のシーズン2配信時には作中に登場するケロッグ社の冷凍ワッフルEggoの売上が前年比14%増という社会現象を巻き起こし、今年のシーズン3配信時には、配信後4日間でネットフリックスの史上最高の全世界約4000万アカウントが視聴した人気ぶり。
配信開始当初ほぼ無名だったクリエーターのダファー兄弟は本作の成功もあり、ネットフリックスと新たなテレビドラマや映画の製作契約を結んでいる。依然として視聴時間では業界トップを走るネットフリックスが、ヒット作を生み出したクリエーターと共に、オリジナル作品の創出で生き残れるか期待がかかる。