11月12日に北米でサービスが開始された、ウォルト・ディズニー社が手掛ける新しい動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」の加入者が早くも1000万人を突破した。ブルームバーグによれば、「ディズニー+」の登場によりネットフリックスの株価は一時3.7%下落し、ネットフリックスが牽引してきた動画配信サービス業界に大きな影響を与えている。ユーザーの「ディズニー+」視聴時間は計130万時間と、アマゾン・ドット・コムが提供する「プライムビデオ」をさっそく上回る好調ぶりだという。
日本上陸時期は未定ではあるが、「ディズニー+」の強みと北米で起きている動画配信サービス業界再編に注目し、これから変化していくであろう一般ユーザーとテレビの関係を考えていきたい。
「ディズニープラス」の強いコンテンツ力
今年8月23日に公開された「ディズニー+」のCMでは約2分間で、ざっと数えただけでも60以上のお馴染みのキャラクターが登場する。「ディズニー+」では『アラジン』『ライオン・キング』だけではなく、『トイ・ストーリー』などのピクサー作品、今年『アベンジャーズ/エンドゲーム』が大ヒットを記録したマーベル・シネマティック・ユニバース作品(『アイアンマン』『キャプテン・アメリカ』等)、そして言わずと知れた『スター・ウォーズ』まで網羅している。
ディズニー作品をよく知らないという人でも、どこかで見たことのあるキャラクターが必ずいるのではないだろうか。加えて世界中の自然や芸術、科学などを特集する『ナショナルジオグラフィック』も観ることができ、「ディズニー+」だけで十分楽しめる仕様だ。動画配信サービスをこれから始めようとする一般ユーザーにとっては、馴染みのコンテンツが多いので安心して加入できることも魅力の一つだろう。日本経済新聞によれば、500本の映画や7500話のドラマを見られる同サービスの加入者1000万人という規模は、ネットフリックスの全世界の有料会員(1億5833万人、9月末時点)の約6%、米国の有料会員(同6062万人)の約6分の1にあたるという。開始数日としては異例のスピードで増えている。