文春オンライン

最後の本格「駅そば店」 激変する渋谷駅で朝から「新そば」を2杯完食した話

2019/11/26
note

 日曜の昼下がり、東急線に乗ってぼーっとしていたら、1枚の吊り広告が目に入った。

「新そばまつり」

『また、深大寺か高尾山でやっているのだろう……』と目を離そうとしたとき、「しぶそば」という文字が飛び込んできた。

ADVERTISEMENT

 12月1日(日)まで、しぶそば(本家しぶそば、蒲田店、長津田店、市が尾店、二子玉川店、青葉台店、中央林間店、武蔵小杉店、大井町店、池袋店、あざみ野店)で新そばまつりを開催するというわけである。

 しかも、秋田県羽後町産のそば粉「にじゆたか」を使用しているという一歩踏み込んだ記載。

東急線内の1枚の吊り広告「新そばまつり」が目に入った

そば好きならピンとくる「秋田県羽後町」

 秋田県羽後町と聞いて、そば好きの諸兄ならすぐ、「西馬音内(にしもない)そば」とピンとくるだろう。

 秋田県羽後町は秋田県の南部、奥羽本線湯沢駅から西方へ行った奥羽山脈の麓に位置する豪雪地帯で、古くからそばの産地として有名である。

 西馬音内(にしもない)そばは冬でも冷がけで食べることで知られている。冷がけそばの発祥の地といわれている。そば「にじゆたか」は倒伏しにくく、粒が大きく白い良質なそば粉がとれるそうだ。まさに「秋田美人そば」とでもいえばいいのだろう。今年の台風でも耐え抜いたそばというわけである。

 そこで、有難くいただくべく、18日の朝9時半過ぎ、「本家しぶそば」を再訪した。するとすでに食券を求める人で行列しているという人気ぶり。入り口には、新そばまつりの幟が置かれている。

訪問したのは東急百貨店東横店西館2階にある「本家しぶそば」
店入口には新そばまつりの大きな幟
店内はいつも綺麗で活気があり、接客も申し分ない

 花番さんに聞くと、すべてのそばのメニューは新そばを使用しているという。