麻布で学ぶ6年間
冒頭のプラモデルのたとえ話に戻ろう。
〈麻布生……組立説明書は無視、感覚だけで独創的かつ味のある逸品を製作する〉
この組立説明書は「体制」「権力」と言い換えてもよいかもしれない。
麻布の教育スタンスを端的にまとめると、「で、自分の本心、意見はどういうものなのだろうか?」……そんなふうに日々、生徒たちを自問させるような試みをおこなっている。中高6年間の中で麻布生たちは周囲に付和雷同することのない確かな「個」を育んでいく。麻布出身者に自由人的な「鬼才」が多いように感じるのは、そういう背景があるからだろう。
拙著『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』では、この麻布の学校生活やその独自の教育について詳述している。
わたしは少子化の波が襲いかかる中で、それでも人気を博す学校の条件のひとつとして「卒業生に応援される学校である」ことを筆頭に挙げたい。創立以来受け継がれてきた学校独自の教育文化をかけがえのない宝物として持ち続け、よりよい学校を希求していく――そういう思いを胸に、子どもに向き合っている学校こそ、魅力ある佇まいをみせると考える。
「昔から変わらぬわたしの母校で、わが子、わが孫にも中高生活を送ってほしい」
――そんな卒業生たちの願い、後押しは、必ずやその学校の「半永続性」を担保するのである。
麻布は間違いなくそういう学校なのだ。
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続きは『男子御三家』(文春新書)にて。受験期のお子さんを抱えている家庭だけでなく、OB、「教育とは何か?」を考えるすべての人にアピールする好著である。
INFORMATION
男子御三家の卒業生は、中高6年間でそれぞれ身につけた独自の「色」があるように感じます。それでは、あなたの性格は「麻布的」「開成的」「武蔵的」……一体、どれでしょうか?
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