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2019/12/03

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会, 政治, 歴史

「女性」「女系」の区別が理解されない理由とは

 世論調査では、女性天皇に賛成する声が多数ですが、女性天皇と女系天皇の区別がついていない人もたくさんいます。それは、保守派のロジックに対して大衆的な支持が寄せられていないことの証左です。「だからこの世論調査は間違っている」ではなく、これだけメディアが啓蒙キャンペーンをやっても浸透しないということは、「みんな、女性と女系どっちでもいいと思っているんじゃないか」という話なのです。

 私には、女性天皇や女系天皇に反対する理由が思いつきません。ただし考えておかなければいけないのは、皇位は特殊な家系の跡目相続の問題であると同時に、憲法第1条に「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と規定されている通り、天皇の存在が民意に裏打ちされているという点です。

©文藝春秋

 憲法は、変えようと思えば変えられます。皇室制度を維持したければ、民意の許容できる範囲内で、時代に合った皇位継承を取り入れていくことが合理的でしょう。

 一方で、日本は生身の人間を天皇や皇族としていただいていることも忘れてはなりません。彼らが負う重責や心理的な圧迫感は、想像するだにすさまじいものだと思います。伝統文化を維持し、明日への期待を抱けるような社会の雰囲気を作る努力を、皇室に任せきりではいけません。自らのプライベートや、家庭や家族を犠牲にしすぎてはいけないということ。このバランスが大切だと思います。

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