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2019/12/03

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会, 政治, 歴史

女性宮家は何の解決にもならない

 現実的な対策として、おそらく最初に妥協されるのは女性宮家の創設でしょう。現に適齢期の女性がいらっしゃるわけですから、この人たちが結婚しても皇族であり続けることを取りあえず担保しておくことができます。

 ただし、それだけでは皇位継承の問題は何の解決にもならない。男系男子での皇位継承をするとなれば、旧皇族の血筋の男系男子の一般人を皇籍に入れるか、そうした男系男子の血を引く一般人男性と内親王が結婚しなければいけないのです。現行の皇室典範では、配偶者が一般の男性では、生まれた子どもが「男系」の皇位継承者になれないからです。

 特定の男性との結婚を期待される、という状況は、お見合い結婚が一般的だった時代なら、さほど非人道的ではなかったのかもしれません。しかし私より20歳も若い現代の男女が、そんな人生に納得するのでしょうか。国を挙げて「お前、あいつと結婚しろ」と圧力をかけるのですから、とても無責任なことです。

 結婚相手を選ぶ自由は、皇族の女性にも最低限あるべきです。とすれば、女性宮家を作ることは解決への一歩ではあるけれども、独立した解決策にはなりえないのです。

紀子さまと佳子さま ©JMPA

 男系の女性天皇のみ容認して、愛子さまが天皇になるとしても、状況はさして変わりません。やはり、愛子さまに「皇室の血を引く男系男子を婿に取れ」と迫るような状況が生まれかねないのは同じです。天皇の役職という重荷を背負わせた上で、次世代への責任まで背負わせるというのは、非常な負担です。

 男系男子主義者が声高に意見を言うほど、彼らに対する支持はなくなっていくでしょう。なぜなら、皇族の女性やお妃候補の女性、さらには旧宮家の男性まで、このようにモノ的に扱うことになるからです。

 ただ一方で、私からすると、「これからは男女同権の時代だから、眞子さまにはこうあってほしい」といった意見も、「愛子さまには、男系男子と結婚していただかなければ」という意見も同列です。どんな権利があって他人の人生に関与しようとしているのか、慎重に考えなくてはいけません。