北条司の不朽の名作漫画『シティーハンター』がフランスで実写化された。現地では観客動員168万人を超える大ヒットに。11月29日、吹替版が本邦公開される。監督・主演のフィリップ・ラショーは1980年生まれの39歳。小学生の時、『NICKY LARSON』のタイトルで90年代に放送されていた『シティーハンター』のアニメを観て、大ファンになったという。

フィリップ・ラショー

「当時、『聖闘士星矢』や『ドラゴンボール』など日本のアニメを浴びるように観ていました。『シティーハンター』はアクション、刑事もの、ラブストーリーの要素が詰まっていて、とにかく面白かった。いわばコメディ版のジェームズ・ボンドでした。映画業界に入り、子どもの頃のヒーローを実写化するのが夢になっていたけれど、フランス映画はアクションが得意ではないし、何より権利がとれるはずがないと思って、諦めていたんです。でも、様々な人の協力があって、原作者の北条さんに連絡を取ることができました。契約を交わす前に、18カ月かけて執筆したシナリオを手に、北条さんに会いに行ったんです。48時間後、OKが出ました。せっかくの日本だったけど、審判を待っている間は眠れなくて、観光どころではなかったです」

 ボディーガードや探偵を請け負う凄腕のスイーパー獠は、相棒の香と共に、匂った者全てを虜にするという「キューピッドの香水」を悪の手から守るという依頼を受ける――。役者はほぼフランス人で、舞台は様々な場所やCGを合わせた架空の土地だ。

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「フランスでヒットしたのは嬉しかったですね。というのも公開前、フランスの原作ファンからの実写化へのネガティブな反応が多かったんです。僕は原作をとてもリスペクトしているので、忠実に映画化したのがよかったんだと思います。香がハンマーで殴るシーンもこだわりました。日本のファンにも、面白いと思ってもらえると信じています」

Philippe Lacheau/1980年、フランス生まれ。2015年、脚本と監督を共同で務め、主演したコメディ映画『世界の果てまでヒャッハー!』が本国フランスで大ヒット。

INFORMATION

映画『シティーハンター』
https://www.cityhunter-themovie.com/