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お金が寝たままだと経済は成長しない
利益を貯め込むとどうなるのでしょうか? お金が寝ています。お金が寝ると、絶対に経済は成長しません。加えて、日本では設備投資の額も低い。その結果、日本経済はこの30年間、ずっと低迷したままです。
1990年代に日本の上場企業の時価総額は約500兆円でした。これは当時、アメリカとほぼ同額でした。ところが、いまも日本は500兆~600兆円程度で推移しているのに比べ、アメリカの時価総額は2000兆円を超えている。3~4倍もの差がついてしまったのです。
では、どうすればいいのか。お金が回る仕組みを作れば、経済は回ります。つまり企業の内部留保を吐き出させて、株式市場にお金が来るようにすればいいわけです。なぜ、株主に戻さなければいけないのでしょうか? 企業が毎年貯め込んでいる25兆円が株式市場に入ってきたら、株主である皆さんはどうしますか? そう、必ず再投資する! 自分がいいと思った会社にお金を再投資するんです。
理由もなくお金を貯めているだけの古い体質の会社には懲罰的な課税をしてでも市場から出て行ってもらい、新しい会社にお金がぐるぐる回るようにする。そうなった時、この国は必ず成長します。
投資家が経営者を監督する仕組みのことを「コーポレート・ガバナンス」と言います。それを実現するために、通産省の役人だった25年前に研究会を立ち上げて、色々な人に提唱しました。しかし、誰も理解してくれなかった。そこで自らファンドをつくり、実践したわけです。