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 取材のとき、記者はデモ隊と間違われないように必ず黄色いベストを着用します。しかし黄色いベストを着ていても、警察から攻撃を受けたり、逮捕されたりすることもあります。

一般市民が行き交う湾仔駅構内でも警察官が監視の目を光らせている ©キセキミチコ

理工大で起きたデモでは装甲車に火炎瓶を投げつけた

 11月16~18日、理工大で起きたデモ隊と警察との激しい衝突では、何人もの外国人記者が逮捕されました。私も取材していましたが、苛烈な現場でした。警察はウォーターキャノンや装甲車を稼働させ、デモ隊は火炎瓶を投げつけるなどして応戦していました。ひと段落したら道端に座り込んで休憩し、またどちらかからの攻撃で衝突が再開する、ということが4、5時間続きました。

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 デモ隊は火炎瓶をバンバン装甲車に投げつけていたのですが、そのうち装甲車に火がついた。そこで警察が「ここにいる全員を逮捕します」と宣言しました。その情報はあっという間に駆け巡りました。私は逮捕から逃れるために、その場を離脱しました。しかしそのまま現場にいた外国人記者や、ボランティアの救護隊はたくさん逮捕されてしまいました。

理工大でのデモ隊と警察の衝突は熾烈を極めた。白い靄は催涙弾の煙 ©キセキミチコ
警察のウォーターキャノンに、デモ隊は自作の火炎瓶で対抗 ©キセキミチコ