昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

恐ろしすぎる香港デモ――デモ参加者の“ネットさらし”に中国当局が関与!?

2019/11/15

 デモ開始から5ヶ月を経たにもかかわらず、香港の情勢はいっそう悪い方向に進みつつある。11月8日にはデモ参加者の学生が転落死し、自殺や不審死をのぞけば今回のデモでは初めての明確に確認された死者が出た。結果、デモ隊の抗議はより激化し、12日ごろからは学生運動が盛んな香港中文大学などで警官隊と学生グループの大規模な攻防戦が起きている。

「戦場」となった香港中文大学のグラウンドで寝泊りするデモ学生 ©︎getty

 警察とデモ隊双方の戦いもエスカレートした。11日には交通警察がデモ隊の若者にいきなり発砲して撃たれた若者が重体、さらに別の場所では白バイをデモ隊に向けて突っ込ませている。いっぽうでデモ隊側も過激化し、以前は控えめになされていた「親中的」な商店や地下鉄などの破壊行為や放火が、かなりおおっぴらにおこなわれるようになった。

商店を放火するデモ隊 ©︎getty

 8日以降は、平日でも深夜まで警官隊との衝突が繰り返されるようになっている。現地時間の夜中2時ごろになっても、警察側による催涙弾の発射は止まらない。

SNS、電話番号、会社名まで……デモ隊の個人情報が晒されている

 いっぽう、催涙弾と火炎瓶が飛び交う表舞台の戦闘と並行しておこなわれているのがサイバー空間での戦いだ。たとえばAFP日本語WEB版の11月9日付け記事は、以下のように報じている。

<香港民主活動家らの個人情報が、「鉄壁」ともいえるほど匿名性の高いウェブサイトでさらされている。ロシアのサーバーを使っているこのサイトは中国共産党関連団体の後押しを受けており、掲載を止める手だてはほぼないという。>
<著名活動家、ジャーナリスト、議員ら抗議活動を支援している約200人が、8月に開設されたサイト「香港リークス(香港解密、HKLeaks)」で、ドキシング(ネットで他人の個人情報を不正に入手しさらすこと)の被害に遭っている。>
(AFP「ネットでさらされる民主派の個人情報 背後に中国政府か 香港」)

『香港解密』が公開しているデモ参加者やシンパの個人情報。上から1・2番目の女性はともに「暴徒(=デモ隊)と関係が密接」という理由で個人情報を晒されている。

 実際にこの『香港解密』のサイトを開いてみるとデザインがかなりしっかりしており、「張」「李」といった姓の一文字だけでサーチできるページまで作られるなど検索機能も優秀だ。暴露されているのは、少なくとも600~700人に達するデモ関係者たちの生年月日・住所・勤務先・電話番号・SNSアカウントやメールアドレスといった個人情報である。