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 その際に使われたのが“青い水”です。警察がウォーターキャノンで発射する水には、透明の水と青い水があるんです。青い水はかかると青い色素が服や靴、肌についてしまう。警察はその青い色素がついた人を無差別に逮捕したのです。私も青い水がかかってしまったのですが、青い色素は洗っても落ちませんでした。

逮捕者を識別するための青い水。有毒物質が含まれており、人体にどのような影響が出るかはいまだ解明されていないという ©キセキミチコ
警察の武器に含まれる有毒物質の影響か、具合が悪くなるデモ隊 ©キセキミチコ

 そして、透明な水にも青い水にも催涙弾の成分が含まれています。目に入れば激痛で涙が止まりませんし、肌に触れただけでもヒリヒリビリビリとした鋭い痛みが走ります。青い水がかかったときは酷い日焼けをしたときのような、肌を刺す痛みがしばらく続きました。

警察が使う武器が徐々に凶暴化している

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 警察隊が使う武器は徐々に徐々に凶暴化していっています。よくみかけるのは催涙弾ですが、数カ月前はアメリカの催涙弾を使っていたのが、次第にアメリカ製だけれど使用期限切れのものになり、最近では中国製のものが使われるようになったと言われています。中国製は発砲される速度が従来よりも少し早く、撒き散らす弾の温度が非常に高く、有毒成分が含まれているのが特徴です。肌に触れたときの刺激も、以前より確実に強くなっています。デモ隊は食塩水で拭いていますが、それでもすぐに痛みが治まるわけではありません。

平日の昼過ぎ、かつては観光客も多く訪れたセントラルでも警察による催涙弾の発砲があった ©キセキミチコ
催涙弾の弾 ©キセキミチコ