映画「この世界の片隅に」に30分の新作映像を追加した「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が12月20日に公開されました。映画をより楽しむための対談集『この世界の片隅に こうの史代 片渕須直 対談集』より漫画原作者・こうのさんに伺った「のんちゃんの声」を公開します。
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こうのさんから「イメージと違うかも」と
──のんさんに関しても、ひと言いただければ。
片渕 こうのさんは、のんちゃんの声を実際に聞いてみて、どうでしたか? 以前、のんちゃんにお願いすることをお伝えしたときには、「イメージと違うかも」みたいなことをおっしゃってませんでしたっけ?
こうの それは私が、のんさんは岩手出身だと思っていたからです(笑)。
片渕 兵庫出身ですよ。
こうの あとから関西人だと知ったので、それなら大丈夫だろう、と。
片渕 むしろ広島弁のイントネーションは、東京と共通なんですよ。京都・大阪を中心として、西と東に同じような言葉が流れているのもあって、広島は東京とイントネーションが同じで、語尾が関西弁と同じなんです。だから関西出身者は、僕もそうなんですけど、広島弁にしようとすると関西読みになっちゃう。それを必死になって横で食い止めていたのが新谷さん。そうすると、のんちゃんは腰に手をあてて、もう片方の手を上下に動かしながら、指でイントネーションの高低を取り始めるんですよ。
こうの 音楽の指揮者みたいでおもしろいですね。
片渕 音楽だと思って聞いてるんだな、と。