昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「のんちゃんは広島弁を音楽だと思って聞いてるんだな」映画『この世界の片隅に』の監督が感じたこと

「この世界の片隅に」原作者と監督が語る漫画のこと、映画のこと#2

 映画「この世界の片隅に」に30分の新作映像を追加した「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が12月20日に公開されました。映画をより楽しむための対談集『この世界の片隅に こうの史代 片渕須直 対談集』より漫画原作者・こうのさんに伺った「のんちゃんの声」を公開します。

和やかに対談中の片渕須直監督と原作者のこうの史代さん

◆◆◆

こうのさんから「イメージと違うかも」と

──のんさんに関しても、ひと言いただければ。

片渕 こうのさんは、のんちゃんの声を実際に聞いてみて、どうでしたか? 以前、のんちゃんにお願いすることをお伝えしたときには、「イメージと違うかも」みたいなことをおっしゃってませんでしたっけ?

こうの それは私が、のんさんは岩手出身だと思っていたからです(笑)。

片渕 兵庫出身ですよ。

こうの あとから関西人だと知ったので、それなら大丈夫だろう、と。

片渕 むしろ広島弁のイントネーションは、東京と共通なんですよ。京都・大阪を中心として、西と東に同じような言葉が流れているのもあって、広島は東京とイントネーションが同じで、語尾が関西弁と同じなんです。だから関西出身者は、僕もそうなんですけど、広島弁にしようとすると関西読みになっちゃう。それを必死になって横で食い止めていたのが新谷さん。そうすると、のんちゃんは腰に手をあてて、もう片方の手を上下に動かしながら、指でイントネーションの高低を取り始めるんですよ。

こうの 音楽の指揮者みたいでおもしろいですね。

片渕 音楽だと思って聞いてるんだな、と。