Q 池上さんが小説家になりたいと思ったことは?
池上さんは、小説家になりたいと思ったことはないのですか?どうしてニュースやノンフィクションの世界を選ばれたのでしょうか。(20代・男・学生)
A 私は身の程をわきまえているつもりです。
フィクションを書く能力を持っていないことを自覚しているからです。
読者を夢中にさせる魅力的な小説、人生を深く考えさせる小説、ユーモアあふれる小説。どれを読んでも、感心した後で、「かなわないなあ」と思ってしまいます。
それよりなによりニュースに興味があったからですね。現場で取材し、さまざまな人間模様を知ると、「事実は小説より奇なり」という有名な言葉を思い出します。しょせん人間の想像力など知れたもの。世の中には、想像を超えた存在があるのです。
ある出来事を伝えるとき、人によって、メディアによって、伝え方はさまざま。どれも事実であっても、その事実の並べ方によって、受ける印象は大きく異なりますし、別の「真実」が見えてくることもあります。出来事を客観的にどう表現するか。その魅力に取りつかれているのです。
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