「胸バクバク痛む型」「喉ツッカエ型」は?
――なるほど! Cの「胸バクバク痛む型」はいかがでしょうか。
工藤 動悸がしやすかったり胸痛を抱えているのですが、周りからすると一見不調があるようには見えないタイプです。胸の脇あたりに苦しい感覚があって、精神不安が強く、円形脱毛症になりやすい。他人の細かい言葉尻が気になって、人前で緊張しやすく、ともすると被害妄想をいだきがちです。物音にも敏感で、自己肯定感が低いのが特徴です。自律神経が乱れているので、「気」と「血」のバランスをとる食事法が肝心になってきます。
タイプDの「喉ツッカエ型」はつねに喉に違和感・異物感があって、声を出しにくく、よく咳払いをします。心理的には「言いたいことが言えない」感覚をもっていて、気分がふさぎがちです。人と話すときにメモをとるような几帳面さがあって、やせていて神経症的な傾向が強い。滞った気のめぐりをよくする食生活が改善の近道です。
水の代謝が悪くむくみやすい「目グルグルor耳キーン型」
――Eの「目グルグルor耳キーン型」の特徴はなんでしょうか。
工藤 漢方用語で「水滞」といって、体のなかの水の代謝が悪いと、めまいや耳鳴りといった症状に出ます。めまいは急性期の症状で、お盆明けとか季節の変わり目とか、職場環境が変わったりとか、何かの節目に出やすく、台風や低気圧が近づくと出るという方もいます。体全体がむくみがちで、対人関係のストレスに敏感な状態です。
耳鳴りはすべてのタイプのなかでもっとも治療が難しいのですが、どちらにも共通するのが天候によって気分が変わりやすく、朝テンションが低く、顔色が悪いという傾向で、我慢強くて、不愉快な相手と距離をとるのが下手です。妙に我慢強いというか頑固なところがあって。
めまいと耳鳴りはどちらかの症状で出ることがほとんどで、併発するケースはあまりありません。両者ともに体の水はけをよくする食習慣が重要になってきます。
男性に多い「下痢ピー型」
――最後の「下痢ピー型」だけXなのはなぜですか?
工藤 じつは、A~Eまでの5つのタイプは8割型便秘を併発していて、最後のXはとくに男性に多く見られる体質だからです。腹部膨満感、腹痛があり、冷えをともなって下痢しやすく、過敏性腸症候群だったりします。「腸脳相関」でお腹の調子はメンタルに響きますから、このタイプの方は愚痴っぽく粘り強さに欠けがち。その場しのぎで仕事のストレスを回避しがちで、不測の事態への対応が苦手です。腸内環境と自律神経を整える食事で本来の力を発揮できるようになってくると、繊細なぶん周りへの気配りもできて集中力の高い仕事をします。